2010年12月14日火曜日

コペルニクフェロー Takuro便り8 Charcoal project トライアル編(前半)

前回の台所事情についての報告を受け、廃材となるバイオマスを使った炭づくりにチャレンジするTakuro。さて結果はいかに、、

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原口@ケニアです。

前回の台所事情のレポートでは、調理する際の2つの困難について紹介しました。そして、この問題を解決する1つの方法として、農作物の要らなくなった物から炭を作成する手段があることを前回のレポートで述べました。

そこで、今回のレポートでは、Charcoal projectのトライアルにフォーカスします。この技術はMITD-Labによって開発され、ネットでそのノウハウ(炭の作り方)が公開されています。このトライアルもそのインストラクションを使用しました。インストラクションは以下のリンクから。https://d-lab.scripts.mit.edu:444/sites/default/files/CharcoalProcess_DoIt.pdf

ちなみに、このプロジェクトは既にもう1人のKopernik fellowMichealが東ティモールで始めています。東ティモールとケニアでは異なる点がたくさんあると思うので、プロジェクトの進展等を比較するのは非常に面白いと思います。

さて、トライアルの様子を紹介する前に以下の2点を確認したいと思います。

1. Charcoal projectの目的は?

1.1 村人自身が炭を作ることにより、前回のレポートで述べた困難を解決する。

1.2炭を売ることにより収入を得ることを可能にする。

具体的には、Charcoal projectの目的はSisari women groupの代表と議論して、3月中旬までに100人の村人にCharcoalの作り方を指導すること。また、15人ほどで1グループを組ませ、グループでCharcoal projectを回させること(これに関してはまだ具体的なアクションプランが決まっていない)

2.今回のトライアルの目的は?

2.1低コストで炭を作った際に、どれほどのクオリティの炭ができるか確認。

2.21回の村人のトレーニング (12月中)のためのポイントを事前に確認。

1に関して、Charcoal projectの目的で述べたとおり、このプロジェクトの対象は資金的にお金がない村人です。そこで、今回のトライアルでは低コストで炭を作った炭を検証してみて、どのポイントが低コスト化できるか確認します。基本的にこのMITのインストラクションは既にシンプル化されているので、低コスト化したプロセスは以下の2点だけです。

・キャッサバをクラッシュする器具を使用しない。

この器具はどこの家庭でもあると思いますが、ないのが普通です。比較的裕福なホストファミリーの家にもありませんでした。ということで、この器具を購入しない代わりに包丁等を使用したらどうなるのか確かめます。

・炭のPress器を使用しない。

MITのインストラクションに載っている炭のPress器は外注しなければなりません。Townにある溶接工に聞いたところ500Kshも掛るそうです。さて、このような器具がどれほど必需なのか、敢えて炭を固める器具を使用しないことにより確かめてみます。

2に関して、15人ほど村人を対象に炭の作り方のトレーニングを12月の中旬から下旬に計画していますが、当日のスケジュールを組むためにどれくらい時間が掛るのかを確認したり、炭を作る際のポイントを事前に整理することが、このトライアルによって可能になります。

さて、以下が実際のトライアルの様子です。MITのインストラクションを見ながらご覧ください。

1127日】

9:30- 材料を揃える。

まず、最初に今回のトライアルで使用する材料を揃えます。使用する材料は、ドラム缶、尖った鉄の器具とトンカチ、そして炭の材料である、サトウキビ、トウモロコシの芯、グランドナッツの殻です。

ドラム缶(1,700Ksh)

尖った鉄の器具(芋を掘る際に使用される)

トンカチ

さとうきび

トウモロコシの芯

グランドナッツの殻


9:40- サトウキビを細かくする。

サトウキビを使用しますが、このままだと長いためドラム缶に入れることができません。ということで、サトウキビを短くしていきます。


10:30-ドラム缶の上部に穴を開ける。

道具は尖った鉄の器具とトンカチを使って開けます。インストラクションには、さらりとこのプロセスについて触れていますが、実際にはどのくらい時間が掛るのでしょうか?

まずは、四角形の穴を開けるため四角形に傷を付けていきます。

ここまでは簡単。次に、インストラクション通りトンカチと尖った鉄の道具で穴を開けていきます。しかしながら、トンカチで叩く度に尖った部分が滑って中々穴を開けることができません。しばらく試行錯誤していたら、隣に住んでいるママが一言アドバイス、トンカチで凹ませてから穴を開けるのはどうかと?さっそく実践。 トンカチで傷を付けた部分を叩いていきます。確かに思いっきり叩くと上部が凹みます。そして、そこに尖った部分を当てると、滑りません。この方法を駆使して穴を開けていきます。ただ、この方法の欠点はとてもうるさい事。

そして、作業を始めること45分、ようやく上部に四角の穴が開きました。

11:15-ドラム缶の底に穴を開ける。

今度は、逆さにしてドラム缶の底に小さな穴を開けます。穴の数は全部で7つ。底は上部と違ってそこまで頑丈ではないため、トンカチで穴を開けることにしました。何回か強く叩くと穴が開きます。

11:30-底の穴にサトウキビを詰める。

ドラム缶の底に開いた7つの穴にサトウキビを詰めていきます。これは、ドラム缶のそこに火をつけた時に、穴に詰めたサトウキビを伝って火が中に入るようにするための工夫です。

11:45-ドラム缶にサトウキビ、トウモロコシの芯、グランドナッツの殻を詰める。

ドラム缶を逆さにします。そして、最初に空気の通り道を作るために上部から太い木の枝を入れます

その後、上部の穴からサトウキビ、トウモロコシの芯、グランドナッツの順番でドラム缶を満杯にしていきます。満杯にした後は、木の枝を抜きます。

(続きは後半で、、、)

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