2011年9月26日月曜日

アメリカ東海岸Week2

アメリカでの2週目も、イベントが盛りだくさん。

目玉は2回目の参加になった、クリントン・グローバル・イニシアティブ。女性のニーズをテクノロジーでどのように解決できるかを話すパネルに参加。ヒラリー・クリントンとジーナ・デイビス、サンダーバード経営大学院の学長と一緒。こちら↓からビデオが見れます。

Watch live streaming video from cgi_plenary at livestream.com


会場であるシェラトンホテルのロビーは、参加者であふれかえっている。


そのロビーには、コペルニクが普及の手伝いをしている、MIT D-Labの炭作りプロジェクトキットも展示。


去年、この会議で、Global Alliance for Clean Cookstoveがアナウンスされた。その1周年記念のレセプションに招待されたので顔を出してきた。クックストーブを開発していたり、普及させているNGOや、国連機関の代表、このイシューに関心を持つ企業などが参加していた。


数種類のストーブも展示されている。

これはコペルニクもこれから普及の手伝いをするEnvirofitのモノ。
これは炭専用のものらしい。

また、コペルニクの支援をいただいているエクソン・モービルもディナーを開催。ブレア元首相の奥様、シェリー・ブレアや、マデレーン・オルブライトなどがいる。
シェリーブレアの横の写真はコペルニクプロジェクトの写真!オルブライト氏とは話す機会があった。インドネシアで官民パートナーシップのプロジェクトを企画しているらしく、インドネシアベースだというと、では彼女のスタッフとフォローアップしてくれということになった。


NY大学のデザインスクールとグラミーン・クリエイティブ・ラボ共催の会議にも参加し、コペルニクを紹介。Design for the other 90%で知られるクーパー・ヒューイット博物館の館長、Peace Dividend Trustの副代表、国連事務総長室のスタッフなどと共にパネルディスカッションも。最後には、グラミーン銀行創始者のモハメッド・ユヌス氏が閉会の辞を述べた。


NY以外にも足を延ばし、ボストンではD-Lab、Legatum Center、J-PALなどを訪問。

日帰りで行ったDCでは、ICRWやミレニアム・チャレンジ・コーポレーション、アショカなどを訪問。

かなり強行スケジュールの2週間だったが、充実したアメリカ東海岸滞在だった。

2011年9月18日日曜日

アメリカ東海岸 week1

東海岸に来て約1週間が過ぎた。

そろそろこちらの時間にアジャストしてきている。数日前からぐっと気温が下がり、朝のジョギングも少し寒い。

朝ジョギングをしているセントラル・パーク

13日に行ったLe Pain Quotidienでのファンドレイジングパーティーは、120人ほどに参加いただき、非常に盛況だった。国連時代の友人や、ボードメンバーの知り合い、コペルニクに興味を持っている人々、そして、Philanthrocapitalismの著者、マシュー・ビショップも顔を出してくれた。スペシャルゲストは、キャシー・ルメイ。

インドで始めたドリップ・イリゲーションを含め、いくつかのテクノロジーも展示した。

ドリップテックのテクノロジーも紹介

15、16日はボストンに飛び、主にMITのいろいろな部署の人とミーティング。最初は、Development Ventureのクラスに参加し、コペルニクを簡単に紹介。その後、学生と意見交換。


科学的に開発効果の検証をするムーブメントの中心、MITのJ-PALも訪問。ここのリサーチ・コーディネーターと1時間じっくり話す。インドネシアにもベースを作る予定らしく、今後の協業についても話した。


D-Labには何度か足を運んだ。前回の訪問は、もう1年半以上前になる。その後、D-Labでも多くの進展があったとのことで、色々教えてもらった。その一つがテクノロジーの検証。ここでも、コペルニクと一緒に出来ることをブレスト。プロジェクトを通じて、多くのフィードバックが集まっているので、こちらからもその検証結果を集めたデータベースに貢献出来る。


メディア・ラボの遠藤さんの研究スペースも見せてもらった。いろいろなモデルの義足が置いてある。


NYに戻ってからは、NYU/グラミーンの共同イベント、Change Modelに参加。


NYUの中でも、デザイン研究の中心であるTischで行いながらも、ビジネススクールスターンの教授なども参加。50人くらい参加していただろうか。TEDでおなじみのClay Shirkeyもいた。コペルニクのことは、知っていたという(!)。



残すところ後一週間!明日はDCに日帰りトリップ。

2011年9月15日木曜日

Takuro便り19: Charcoal projectの現状分析


前回のポストと、順番が前後しましたが、ケニアにいるTakuroより、炭作りプロジェクトの現状分析のブログです。

*****

前回のケニア滞在から約5ヶ月ぶりにCharcoal projectのフォローアップをするためにケニアに戻ってまいりました。ナイロビに滞在していた時、最大の問題はマーケットが小さく収入を十分に集める事ができないと友人から聞いていました。つまり、ボトルネックは流通部分にあると

そして、実際に自分の目で確かめるべくCharcoal projectが行われている村に直行致しました。まずは、現地でのプロジェクトリーダーであるJosephとのディスカッション。

・キャッサバの確保

ここで分かった新たな問題は、キャッサバの確保です。キャッサバは農業廃材を炭化した後に、粉末状の炭をくっ付けるバインダーとして使用します。

バインダーとなりえる条件は、粘着性、可燃性、煙を出さない、の3点です。キャッサバはこの条件を満たすという事で、今まで使用していました。しかしながら、同時にキャッサバを使用する事による固有の問題があります。1つ目は、価格が変動するという事です。キャッサバは食べ物であるため、他の食べ物の流通量が減るとキャッサバのニーズが高まるためキャッサバの値段が上がります。実際に、現在はトウモロコシの流通量が減少傾向にありキャッサバのコストが上昇しています。2つ目は、マーケットが小さいという事です。私が滞在している地域ではキャッサバが主食ではないためマーケットが元々小さいという問題があります。そのため、大量に炭を生産するとなると大量にキャッサバが必要になるため、キャッサバが少ない事が大量生産のボトルネックとなっています。

Charcoal projectのマネージメント

次にワークショップを見に行きます。しかしながら人がいません。そして、炭を作るためのドラムとコンプレッサーもありません。当初の予定では、このワークショップに集まって共同作業する予定でした。Josephに聞いてみると、今はトウモロコシの収穫時期ということでBeneficiariesは忙しくてCharcoal projectに手が回らないとの事。また、このワークショップに炭を生産するツールがないのは、Beneficiariesが議論して家に持ち帰ったためとの事。Beneficiariesの多くはこのワークショップの近くに住んでいるわけではないので、炭を作るためにわざわざ通うのは大変という事で、今は必要なサトウキビの廃材はその都度、取りに来るという方法を取っています。しかしながら、半年近く経ってもMuimias Sugar Companyから提供された炭がまだ大量にあり、Beneficiariesの顔が見えない状態だったので、とても不安になりました。また、前回私がケニアを離れる時にCharcoal projectのマネージメントもJoseph以外はコミットしていない状態で、マネージメントがどれくらい上手く行っているのか怪しい状況でした。

サトウキビの廃材の保管場所

サトウキビの廃材

・コンプレッサーの数の不足

次に、Beneficiariesにインタビューです。上記で述べたマネージメントの状況からBeneficiariesがワークショップで生産していないため、お互いに刺激し合う事が難しい状況となっています。この事から、どれだけモチベーションを持ってCharcoal projectに取り組んでいるのか不安になりながらBeneficiariesのリーダーの所に向かいます。

そして、BeneficiariesのリーダーのMaurinとのミーティング。

Maurin

インタビューしてみると、Charcoal projectが順調に回っている事が分かりました。ミーティングも月に1~2回ほど開いて、6つのグループの進捗状況の確認や問題のシェアをしたりしています。そして、Beneficiariesから見た問題点を聞いたところ色々とクリアになりました。

ミーティングの様子

Charcoal projectのバリューチェーンは上記の図のようになっており、主に調達、生産、流通の3つのステップからなっています。この3つのステップについてチャレンジを聞いてみました。当初、ナイロビでは友人から一番の問題は最後のステップの流通と聞いていました。つまり、マーケットが小さく(認知度が低いため)十分な利益を得られていない。しかしながら、当事者に話を聞いてみると、問題はもっと根本的な所にありました。

- 調達

炭を生産するためには、農業廃材とキャッサバを確保する必要があります。農業廃材に関しては、Mumias Sugar Companyからサトウキビの廃材の提供を受けているため問題はありません。しかしながら、上記で述べた通りキャッサバの確保が難しいという問題があります。Maurinもキャッサバの入手を問題に上げていました。

- 生産

次に生産に関してです。炭を生産するためには5つのプロセスがあります。そして、その中でも道具を使うべきポイントが3つあります。1つ目は、農業廃材を炭化するためのドラム。2つ目は、炭化した炭を粉末にするためのクラッシャー3つ目は、バインダーとミックスした炭を固めるためのコンプレッサー。なお、2つ目のクラッシャーに関しては、Mumias Sugarから提供を受けているサトウキビの廃材が既に細かく砕かれているためクラッシャーを使う必要がありません。さて、この生産プロセスで、Maurinが上げた問題が、コンプレッサーの数の不足です。現在このプロジェクトでは、51グループのグループが6つあります。そして、各グループが1つのコンプレッサーを所有しています。つまり、5人で1つのコンプレッサーを共有している状況です。このため、炭を固めるプロセスでの生産性がとても悪いという状態です。もし、コンプレッサーが5つあれば単純に炭の生産サイクルが速くなるため生産率が2,3倍に上がります。ということで、コンプレッサーの数の不足がもう一つのボトルネックとなっています。当初このプロジェクトを始めた時は、炭はprofitableなので3ヶ月ほどで初期投資がカバーでき、そして4ヶ月目から2つ目、3つ目のコンプレッサーと投資が可能になると思っていましたが、キャッサバの問題があるため生産量が十分ではなく資金を十分に得られていないという状況に陥っていました。

- 流通

最後のステップは流通です。生産した炭を如何に売りだすのかという部分です。最初はこの部分が一番の問題であると聞いていましたが状況は少し異なるようです。

Maurinに話を聞いてみると、最初は顧客を確保するのに苦労したが今では、数名の顧客がいて生産量に見合う収入を得られているということです。4月から6月の約3ヶ月で5つのグループ3,000Kshほどの収入を得られたそうです。ただし、1つのグループはメンバーのやる気が少し低いため900Kshほどです。

どのように顧客を確保したのかと聞いたところ、4月に近くのマーケットでField Dayというイベントを開催して生産した炭を披露したそうです。このField DayというのはDistrict Agricultural Officerの元、農業分野に関係する何か新しい発見等があったら、それを披露するイベントだそうです。

たくさんの人が集まっています。

Field dayで炭について説明しています。

・コミットメントの問題

また、Maurinとのインタビューで上記の内部的要因とは別に炭の生産率を下げる外部的要因が存在する事が分かりました。


この地域でいる女性の大部分は、この地域で主食となっているウガリの材料であるトウモロコシの種蒔き、収穫に関わっています。種蒔きは、雨季の前に行われ、収穫は雨季の後に行われます。そして、西ケニアでは雨季が2回あるので、トウモロコシの種蒔き、収穫も2回あります。(2 seasonある) これらが炭の生産量を減少させる外部要因となっています。

・トウモロコシの種蒔きと収穫

トウモロコシの種蒔きは、雨季の前の2月下旬から3月の中旬、そして8月の中旬から9月の上旬にかけて行われます。収穫は、7月から8月の上旬にかけて、そして11月から12月の中旬にかけて行われます。女性の大部分がこれらの仕事に関わっているため、自動的にこの期間になると炭の生産に対するコミットメントは減少します。

・雨季

西ケニアで2回ある雨季。昼過ぎになると雨が降り出します。炭の生産(炭化)は外で行われるため、雨が降るという事はその時間炭を生産出来なくなるという事です。Maurinの事例をあげると、12時過ぎに炭化を始めたが、2時前に雨が降り出して、炭化していた材料がダメになったそうです。

・まとめ

まとめると、生産が上がらない理由は、キャッサバの調達の難しさコンプレッサーの数の不足による内部要因と、雨季畑仕事によるコミットメント率低下の外部要因によると物と判明いたしました。外部要因に対する解決策は難しいため、生産率を上げるための方法は内部要因にあります。つまり、キャッサバの調達の難しさとコンプレッサーの数の不足に対する解決策が分かれば自ずと生産率も上がるはずです。

次回は、この問題に対する取り組みを紹介していきます。

2011年9月12日月曜日

9月22日のクリントン・グローバル・イニシアティブでのセッションの詳細

パネリストとして参加するのは22日のこのセッション

12:15 PM -

1:30 PM

Designing Technologies for Economic Empowerment

Many simple and scalable technologies have great potential to enhance the daily lives of girls and women in the developing world, particularly when girls and women are taken into consideration from the beginning of the design process. It is not the products or programs themselves that are so powerful, but rather how these technologies afford girls and women more time, personal security, and connection to one another. Clean cook stoves afford women the opportunity to cook without the time, burden, and risk of collecting firewood; debit cards allow women to hold bank accounts with personalized pin numbers that others are unable to access; and computer training allows females entry into job markets and mechanisms to self-organize. Yet girls and women are often excluded from the design process, and their perspective is not always considered in the messaging and outreach that is essential to scaling such products. This session will explore how to successfully engage girls and women in the process of creating, adapting, and distributing relevant innovations, and it will examine how to harness media and markets to successfully take innovations to scale.

Participants:

Neil Bellefeuille, Chief Executive Officer, The Paradigm Project
Geena Davis, Founder, The Geena Davis Institute on Gender in Media
Karim Khoja, Chief Executive Officer, Roshan
Toshihiro Nakamura, Founder and CEO, The Kopernik


去年の様子はこんな感じ。少し緊張、、。



2011年9月10日土曜日

クリントン・グローバル・イニシアティブ年次総会に再び参加

去年に続いて2度目のクリントン・グローバル・イニシアティブに参加するため、先日からニューヨークに来ている。


去年は、コペルニクのコミットメントがフィーチャーされた以外は、参加者の1人としてセッションを聞いていただけだったが、今年はいくつか役割をいただいた。

まずは、何と、パネルディスカッションに参加することになっている。テクノロジーと経済機会の創出に関するパネルで、アカデミー賞女優のジーナ・デイビスと一緒らしい(といっても、ジーナ・デイビスは写真を見てもピンとこない)。また、支援をいただいているエクソン・モービルがホストするCGIのディナーでは、コペルニクのプロジェクトのビデオが流されることになっている。東ジャワのプロジェクトをフィーチャーしたもので、中でも浄水技術を中心に、どう女性達に経済的機会を与えているかを実例を使ってコミュニケートする。さらに、去年のコミットメントのフォローアップの一環として、コペルニクが普及のお手伝いをしているトウモロコシの実剥き機と炭作りキット(どちらもMIT D-Lab発案)が会議場のロビーに展示される。

その他、
などなど盛りだくさん。

またブログでアップデートします。

2011年9月6日火曜日

DOCOMOのコペルニク・アプリ「MYコペルニク生活」完成!

以前、六本木ヒルズの元気塾でコペルニクの紹介をさせていただいた。その時に、米倉先生の計らいで日本元気塾第2期生有志の方々から、コペルニクをより良い組織にするための様々な提案もいただいた。

その一つがこれ。渋谷彰さんを中心に開発されたDOCOMO携帯電話アプリで、その名も「MY コペルニク生活」。アプリのコンセプトは、「日々の小さな努力で自分が変われること、そしてその積み重ねでうねりを巻き起こし、日本や世界を変える力にもつなげたい」。自分の目標の設定や確認が行えるアプリとなっています。初月の利用料は無料ですが、目標の達成状況に応じて翌月以降に最大100円の利用料が発生します。この利用料はコペルニクに寄付されます。

スクリーンはこんな感じ。コペルニク・テクノロジー図鑑もあります。

2011年9月5日月曜日

コペルニク・フェローTakuro便り18:キャッサバ不足への対策 アイデア編

原口拓郎@ケニアです。

前回のレポートで現状分析をした結果、Charcoal projectを進めていく上で、2つの問題、キャッサバの不足コンプレッサーの不足が炭の生産量を悪くしている原因だと分かりました。これからのレポートでは、この2つの問題の対策を考えていきたいと思います。まずは、キャッサバの不足の問題を考えていきます。この問題に対するアプローチは、キャッサバを他から持ってくるキャッサバの代替を考える、の2つです。

1. キャッサバを他から持ってくる。

なぜ、私が滞在している地域でキャッサバの値段が変動したり、流通量が変化したりするのかというと、キャッサバのマーケットが小さいからです。それでは、なぜ、マーケットが小さいのでしょう?それは、キャッサバはあくまでも主食であるトウモロコシの代替と考えられているからです。ということで、解決策の1つは、キャッサバを大きなマーケットから持ってくるになります。キャッサバの大きなマーケットを探してみると、私が滞在している場所から車で1時間ほどのウガンダとの国境沿いの町,Busiaではキャッサバが主食となっていて大きな市場があるという情報を入手しました。キャッサバはウガンダをから大量に持ち込まれているとのことです。という事で、短期的にこの問題を解決することは、キャッサバのサプライヤーに私たちが住んでいる地域にも需要があることを知らせる、またはキャッサバをBusiaから卸売りしてくれる人を探す、の方法が考えられます。

しかし、これはあくまでもキャッサバの代替手段が見つからなかった場合の最終手段です。

なぜなら、キャッサバはあくまでも食べ物であるという位置づけなので、このプロジェクトが大きくなった時に食べ物としてのキャッサバと競合する可能性があります。ブラジルでも実際にトウモロコシがバイオエタノールと食べ物との使い道で競合しました。また、キャッサバはラーニングコストとしてある程度お金が掛るので、もっと安価で安定的に入手できるバインダーを探しだせたら、大量に生産する事が可能になります。

2. キャッサバの代替を考える。

長期的に食べ物としてのキャッサバと競合する可能性がある、またラーニングコストとしてキャッサバはある程度コストがかかるという事で、食べ物と競合せず、もっと安定して安く入手できる物を探します。

ということで、まず何がバインダーの条件なのか整理してみます。

バインダーの理想的な条件は、粘着性、可燃性、煙を出さない、の3点です。

そして、上記の条件を満たす材料を探します。その結果、以下の3つがバインダーの候補として浮上しました。

-

このアイデアは、私が前回ケニアを離れる直前にケニア人の友人が思い付いたアイデアです。時間の都合上、その時はフィードバックを聞くことはできませんでしたが、今回ケニアに戻ってきて電話した際に、問題ないという話を聞きました。もし、これが本当なら泥はどこでも大量に手に入れる事ができるので、ラーニングコストは事実上ゼロになります。

ただ、泥は燃えないので、燃やした時にどのような影響があるかは不明です。

友人が残してくれた炭。左がキャッサバを使用した炭、右が泥を使用した炭。

- 牛の糞

このアイデアは、泥の炭をテストした後に思い付きました。今まで、キャッサバありきで考えていましたが、泥を使えるという可能性を示唆された事で、他にもないかという思考が働き、見つけた新たな選択肢です。牛の糞を使うというのは、ある意味盲点で思い付きづらいですが、西ケニアでは家の壁、床を牛の糞で固めるという習慣があるため、牛の糞は生活の一部になっています。また、乾燥した牛の糞を燃やして料理をする家庭もあるくらいです。燃料としても使える事から、牛の糞は理想的なバインダーです。そして、もちろん無料で手に入ります。ただ、考えられる欠点として、燃やした時に臭いがするという可能性があります。乾燥した時にどれだけ臭いが抑えられるかが一つのポイントとなりそうです。

牛の糞を使って、キッチンの床を固めようとしています。

- モラセス(Molases)

このアイデアはCharcoal projectの技術アドバイザーであるJoshuaから勧められたアイデアです。モラセスは簡単に何かと言うと、砂糖の廃液です。そのため、この黒い液体は甘いです。そして、粘着質です。モラセスはMumias Sugar Companyが砂糖を生産する過程で発生します。このモラセスの現在の使い道は、お酒の製造、エタノールの製造、家畜への餌の3つです。最後の家畜への餌に関してですが、家畜にモラセスを与えるとたくさんのミルクを出すそうです。ちなみに、値段は、5リットルで100Kshです。1つの懸念は、粘着度がキャッサバと比較すると弱い事です。

Mumias Sugar Companyの近くにある大量のドラム缶

中には粘着性の黒い液体、モラセスが入っている。

さて、次回は実際にこの3つのマテリアルをバインダーとして炭を作ってみて比較テストしていきたいと思います。

2011年9月3日土曜日

シエラレオネでの「開かれた政府」プロジェクトの報告書

UNDPシエラレオネ事務所で活躍する境悠一郎さんが書いた開かれた政府プロジェクトのレポート。

私が始めたプロジェクトだが、境さんが引きつぎ、うまくプロジェクトを軌道に乗せてくれました。その後もうまくいっているようで安心。

アフリカの開発援助、政治に興味のあるかたはご一読を。