2011年2月26日土曜日

北九州ソーシャルビジネスメッセ

26日は「ソーシャルビジネスメッセ」。

朝起きると、調子が悪い。かなり熱も出ているようだ。

会場に向かう途中で、こういう風景を見て、日本史で習った八幡製作所の発祥地ということを思い出す。


さて、午前中は北海道と宮崎県で様々な事業を展開する方々の事例紹介。


午後は、コペルニクを紹介し、パネルディスカッションに流れた。北九州市とどういう連携ができそうか、炭素の削減量の計算方式を自己で開発出来ないか、など、面白いアイデアが出た。


終わった直後、ふらふらしながらホテルに戻り、次の日の朝まで16時間ぶっ続けで休んだおかげで、かなり調子が戻った。

北九州の皆様、ありがとうございました。

2011年2月25日金曜日

北九州

昨日より北九州に来ている。


一日目は、北九州市のアジア低炭素化センターにコペルニクを紹介し、協業の可能性をざっくばらんに話すという趣旨。このセンターは、北九州の企業のアジア進出を支援しながら、環境モデル都市として、アジアで低炭素の社会をつくる支援をするという非常に大きな構想を持っている。すでに、インドネシアのスラバヤで排水施設を作ったり、北九州発のコンポスト方法をアジア各国で普及させたりしている。

その後の後懇親会で、SINKaの古賀さん、長崎大の桃井さん、低炭素化センターの飯塚さん、とーくの堤さん・進さんなどとともに、NPO法人コミュニティシンクタンクあうるずの理事長菊池さんといろいろなことを話会った。そこで盛り上がった話題の一つが、バイオ燃料。途上国に多く見られるココナッツはエネルギー値が高く、家畜の糞尿と組み合わせることで、簡単に燃料が作れるという。こんなスケッチ(↓)を書いてくれた。


今日は、北九州ソーシャル・ビジネスメッセというイベントに参加する。

2011年2月18日金曜日

2月22日の関西でのイベントのお知らせ

こういうイベントで話すことになりました。関西の方はぜひどうぞ!


テーマ:開発援助にイノベーションを起こす ~コペルニクの挑戦~


日時:2011222日(火) 午後2時半ー4時半

場所:兵庫県立大学 神戸学園都市キャンパス 研究棟Ⅰ(1階) 115大会議室


【報告の趣旨・概要】

戦後、政府開発援助を中心として行われてきた貧困削減への努力・国際協力は近年の社会起業家の出現によって、大きく変化しています。10年に渡る国連を通じての途上国問題の解決に携わってきた教訓、コペルニクを立ち上げた背景、事業内容、今後の展望について議論します。

2011年2月16日水曜日

コペルニク・フェロー Takuro便り14 Charcoal作りのコツ

ここしばらく炭ばかり作っているTakuro。今まで培ったノウハウを披露してます!

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Trainingが終ったということで、各家にドラムとPress器が渡りました。

今回は、EmilyさんとFaustinさんが炭作りの材料にトウモロコシの枝を使用するという事なので着目してみました。トウモロコシの枝を使用するのは始めてのケースです。なので、どのような炭が完成するか楽しみですね。

ドラム缶にトウモロコシの枝を入れ、燃焼後炭を取り出します。

先日、手に入れたクラッシャーを利用して全てをクラッシュします。

とても細かい粉末が出来ました。これはトウモロコシの芯よりも細かいですね。

そして、キャッサバミックスチャーと混ぜてPress器で固めていきます。

EmilyさんとFaustinさんの家は隣にあるので、一緒に活動しています。

さて、トウモロコシの枝を利用して炭を作った訳ですが、今回はたくさんの気づきがあったのでまとめたいと思います。

【気づいた事】

1.キャッサバの分量

キャッサバミックスチャーと粉末にした炭の分量はとても大事です。実は今回の炭の製作で3回キャッサバミックスチャーを作ったのですが、そのうち1回目と2回目は失敗しました。1回目と2回目のキャッサバミックスチャーは、とても軟らかく粘つきました。そのため、Press器で使用しても隙間から炭が飛び出してきて固まった感触もなく、またPress器から取り出すときもべた付いて、取り出すのがとても困難でした。ということで、この問題点は粉末にした炭に大量のキャッサバミックスチャーを混ぜたため起きたという仮説に基づき3回目は粉末にした炭になるべく少なめにキャッサバミックスチャーを混ぜてみました。すると、とてもハードな炭が出来上がりました。Press器で固めても全くべた付かず、Press器から取り出すのも容易です。しかも、1回目、2回目よりも硬いのが特徴です。まとめると、キャッサバミックスチャーは手にべた付かない程度まで粉末の炭に混ぜるのがベストということです。

Press器の隙間から炭が飛び出して来ます。

Press器の上部に炭が付く。

Press器の下部にも炭が付く。

最適な分量でPress器をしようすると綺麗に固まります。

炭も綺麗に取れます。

2.トウモロコシの芯と茎の違い

今回は、トウモロコシの枝のみを使用したということで、前回使用したトウモロコシの芯との違いを確認することができました。違いは、収集の難しさ最終物の硬さ最終物の量炭の効果4点です。

2.1 収集の難しさ

まずは収集の難しさの比較をしてみます。炭を作る材料はトウモロコシの芯と枝、そしてサトウキビの3つが代表的な材料なのでこの3つを比較します。比較するには、時期場所需要畑所有の有無4つのファクターがあります。

・時期

時期に左右されるのが、トウモロコシの芯と枝です。トウモロコシの収穫時期が1年で8月と12月の2回です。そのため、収穫時期から3ヶ月ほど経過すると手に入れるのが困難になります。ちなみに、今の時期はトウモロコシの芯は手に入れることはとても難しいですが、枝はまだたくさんあります。

畑にトウモロコシの枝が大量にある。

・場所

場所に影響されるのが、サトウキビです。サトウキビは1年中収穫されていますが、収穫場所はバラバラです。そのため、近くで収穫されない限りサトウキビを集めるのは難しいです。

サトウキビの収穫。

・需要

ここで言う需要とは料理の際の材料としての需要です。このレポートで述べた通り、料理をする際には木材や木材に代わる材料を使用します。さて、木材に代わる材料で人気が高いのがトウモロコシの芯とサトウキビです。トウモロコシの芯に関しては、後で述べる通り密度が高いため木材に変わる材料としては最適です。サトウキビは収穫から3日後になると、残りのサトウキビが乾燥し出してきます。すると、周りに住んでいる住人が我こそはと乾燥したサトウキビをたくさん持っていきます。ということで、なるべく多くのサトウキビを手に入れるには、どこで収穫が行われるかという情報をなるべく早めに知ることが重要です。

トウモロコシの芯を使用して料理中。

・畑所有の有無

畑があるかどうかに左右されるのがトウモロコシの芯です。トウモロコシの芯は収穫時期に農家の人がコーンをトウモロコシから取り除いた後に出る来る物です。そのため、トウモロコシの畑を所有していない限りトウモロコシの芯を大量に手に入れることは上記で述べた通り需要があるので難しいです。

大量にあるトウモロコシの芯。

2.2最終物の量

2つ目の違いは最終物の量の違いです。まずは、2つの写真を見てください。

両方ともドラム缶を材料で満タンにして作ったものです。しかしながら、量が圧倒的に違います。1枚目の写真がトウモロコシの枝から作られたもので95個のブロックがあります。2枚目の写真はトウモロコシの芯から作られたもので215個のブロックがあります。なぜ、このような違いが出たかというと、それは密度が違うからです。例えば、乾燥したトウモロコシの枝を見てみると、内側がとてもスカスカであることが分かります。しかし、トウモロコシの芯は内側まで実が詰まっているため密度が高いです。ということで、ドラム缶を満タンにした状態でも密度の高さから芯の方がたくさんの炭を生産することが出来ます。つまり、使用する材料によって、1つのドラム缶から得られる利益も変わってくるという事です。

ちなみに、サトウキビはどうなのでしょうか?写真を見てみると、トウモロコシの枝と比較してスカスカ度が低いことが分かります。つまり、サトウキビでドラム缶を一杯にした場合はトウモロコシの枝と芯の間の100200個ほどのブロックが作れることが予想できます。


トウモロコシの枝

トウモロコシの芯

サトウキビ

2.3最終物の硬さ

3つ目に最終物の硬さを比較してみます。理想の分量のキャッサバミックスチャーを混ぜたという前提で、Press器で固めます。Press器で固めた後、硬さを比較すると芯の方が硬いことが分かりました。これは、炭の粒子自体の硬さに依存しているのではと推測できます。実際に、トウモロコシの枝と芯を潰してみて比較してみます。

動画を見てもらえば分かりますが、トウモロコシの枝は2つの指を使って簡単に砕くことができます。しかし、芯は力を入れないと砕くのが大変です。

2. 4 炭としての効果

最後に、一番重要な炭を使用する際にどれほどの違いがあるか確認します。確認するポイントは煙の量水を沸騰させる時間持続時間3点。

・実験方法

実験方法は、前回実験した方法と同様に焜炉と500mlの水を使用します。

トウモロコシの枝で作った炭

500mlの水が入った鍋をのっけて実験開始。

・実験結果

-煙の量: まずは煙ですが、トウモロコシの枝も芯も火を付けた最初の数十分は煙を出すことが分かります。煙の量は、Fire woodsよりは少ないという量ですが、この煙は目を沁みさせるに十分な量です。

-水を沸かせる時間: 次に水を沸かせる時間ですが、大きな差がでました。トウモロコシの芯で作った炭は1450秒で水を沸騰させることができましたが、トウモロコシの枝で作った炭は30分経っても水を沸騰させることができませんでした。(80℃以上のお湯を作ることはできます。) なぜ、このような差が出たのかという分析ですが、1つの可能性として炭を作るマテリアルに依存すると考えられます。芯の炭は細かくしても11つが硬いため全体として大きなエネルギーを放出するのかもしれません。実際に、キッチンで使う際に芯の方が枝よりも火力が強いです。そのため、上記で述べたとおり需要があります。

-持続時間: 最後に持続時間ですが、これも大きな差が出ました。トウモロコシの芯の方は、1時間30分以上持続しますが、枝の方はさらに長く3時間以上持続します。

1時間30分後、まだ小さいピースが燃えています。ちなみに、とても熱いです。(芯の炭)

2時間後、初めの原型を崩さず保っています。(枝の炭)

3時間経過しても多くのピースがまだ燃えています。(枝の炭)

この差は炭の細かさに依存するのではないかと考えられます。粉末が細かいとその分密度が高い炭を作ることができます。上記の最終物の量の違いに似ていますね。芯は11つが小さくまた、密度高いのでドラム1つからたくさんの炭を作ることが可能ですが、枝は大きく、密度低くためドラム缶の中にたくさんの隙間ができたくさんの炭を作ることができません。実際に、炭の表面の違いを見てみるとそれが分かります。トウモロコシの芯の方が表面に凸凹(隙間)がたくさんありますが、枝の方はとても滑らかです。

表面に凸凹がたくさんある(芯の炭)

細かい炭のためとても表面が滑らかな炭(枝の炭)

・おまけ

さて、トウモロコシの枝で作った炭は500mlの水を沸騰させることができませんでした。それはつまり料理をすることが出来ないということ意味なのでしょうか?ということで、料理をすることが可能かどうかを引き続きこの炭を使用してお米を炊いてみました。

お米をセットする。

蓋をしてお米を蒸します。

そして、なんと20分後にご飯が炊き上がりました。水を沸騰させることはできませんが、料理をするのには適していることが分かりました。

味はとても美味しかったです。

以下まとめです。

最終物の数/ドラム

最終物の硬さ

煙の量

水を沸騰させる時間

持続時間

トウモロコシの芯

215

とても硬い

最初の数十分

1440

1時間30分以上

トウモロコシの枝

95

硬い

最初の数十分

30分以上

3時間以上

2011年2月15日火曜日

東ティモール視察 オクシ県編 その1

前回の、エルメラ県への視察をレポートに続き、今回はオクシ県編。

オクシ県は、東ティモールで最貧の県。↓の地図でオクシ県は、赤い部分。東ティモールのその他の12の県と地形的に離れており、インドネシア(灰色)のなかにぽつんとある。


この地形のため、オクシ県に行くのは結構大変。インドネシア領西ティモールの中心地、クパンから車で8時間ほどいって国境を越えるか、もしくは東ティモールの首都ディリからフェリーで13時間揺られるか


当初、フェリーでオクシ入りをする予定だったが、われわれがティモール入りする2週間ほど前にこのフェリーが故障し、スラバヤに修理に出ており、オクシへの交通手段がほぼ断絶された。結局、残り唯一の手段、キリスト教系の団体が緊急用に飛ばしている飛行機をチャーターしてオクシに渡航することになった。


55分後、無事にオクシの中心地、パンテ・マカサールに到着。ホテルに荷物を下ろした直後、現地パートナーのFEEOの事務所を訪れ、作戦会議。午後から早速プロジェクトの視察に行くことにした。

最初のプロジェクト・サイトはスネ・ウフェという村。ふつうは車で1.5時間ほどで行けるが、雨季のため、途中の川の水位が高く、車では渡れない。結局、川の手前で車を降り、川を歩いて渡る。



せっかくプロジェクト場所まで行くので、追加でプロダクト販売も行おうと、ソーラーランプと、クッキング・ストーブを持参。


川の向こう岸でトラックを手配し、地元の学生とともに相乗りし、目的地に到着。

すでにソーラーランプを購入し、使っている女性から話を聞く。一か月で5ドルの灯油代が浮き、そのお金を野菜を購入するお金に充てているとのこと。数か月前から徐徐にランプが使われはじめ、噂が広がり、今回も買いたいという人が続出。目の前で、飛ぶようにランプが売れていく。



ここで、コーン・シェラーも披露。トウモロコシを手で剥く代わりに使う、鉄製の器具。いつも手で向いている女性と競争をすることになった。


結果は、なんとほぼ同時、、。しかし実際に彼女も使用してみて、トウモロコシの収穫時期の後にはぜひ使いたいとのこと。


その後、この女性の家を訪ねた。彼女はいか月ほど前にクッキング・ストーブを購入したのだ。伝統的なストーブの横で実演をしてくれた。


トウモロコシの芯を入れているところ。


そうこうしているうちに、日が沈んできた。コペルニク・フェローのサリーは、もう早く戻らないと、川の水位が上がって帰れなくなるとせかすが、結局6時ごろまでこの村に滞在した。

トラックでまた川沿いまで戻ると、なんと川が氾濫している。胸ほどまでの水位に上がり、流れもすごく早い。20分ほど、どうしたものかと作戦会議。ここで野宿かとも考えたが、地元の人たちが、手を引いて、一番浅いところを引率してくれるという申し出を受け、この川を渡ることにした。最初の部分はまだ浅いが、この後、どんどん深くなっていく。


渡ると決めたときには、もう日が落ち、真っ暗。トラックのランプで明かりをつけ、皆で川に入っていく。


約1時間、豪流と格闘。何度も足をすくわれそうになったが、1時間でわたり切った。実は、以前この川で、4人の韓国人兵士が死亡したらしい。本当に危ない。次回はサリーのいうことをちゃんと聞こう。

続きは次回。

2011年2月10日木曜日

東ティモール視察 エルメラ県編

22日より1週間、東ティモールに滞在。今回の目的は、東ティモールでのプロジェクトの進捗をチェックし、現地パートナーとのいくつかの取り決めを見直し、そして新しくフェローとなったサリーと会うこと。


さらに、この視察の時期にちょうど、NHKのクルーと東ティモール駐在時代に知り合った朝日新聞の方がコペルニク取材のため同行。さらに、コペルニク・ドナーであるウィンローダーの元社員も合流するという、大きなミッションとなった。

東ティモールでは、ソーラーランタン、調理用ストーブ・炭づくり、、浄水器、Qドラム、トウモロコシ剥き器、など非常に多くのテクノロジーを普及させている。

飛行機でディリに到着直後、ユニセフに向かい、以前よりお世話になっている久木田所長を訪問し、その後ディナーも御一緒させていただいた。次の日は、エルメラ県への視察。この視察は、コペルニクチームの一員、ガビーが同行してくれた。 

エルメラ県では、自動車でクリニックの無い地域を定期的に回る、モーバイル診療所で働く助産婦にソーラーランプを届けるプロジェクトを見に行った。雨季でかなり悪化した道を車でひたすら走る。途中で、ご飯休憩もはさみ、3時間半後に到着。

エルメラまでの道のり

助産婦は、現在まで、灯油ランプ、もしくは電電池を使う懐中電灯を使って明かりをともしていた。出産や、夜の往診などが主な使用時。

診療所で夜に使われていた灯油ランプ

懐中電灯には、2ドルの乾電池を使い、年間で1012ドル程の支出をしている。さらに、話をした助産婦のマリアは2時間かけて、このモバイル診療所に歩いてくるのだ。ソーラーランタンに変換した後、LEDの明かりで、明かりが強くなったのと、電池への支出が無くなったという。

診察をするアイダ医師

助産婦マリア

助産婦マリアと患者親子

次回はオクシ県での視察をレポートする。