マルクスや、ケインズなどと同世代に生き、資本主義の本質とは、起業家とはなど、非常に示唆深いシュンペーターの考えが披露されている。さらに、オーストリア、ドイツ、アメリカを生き、妻を亡くすなど、彼の個人的側面も描写されている。
私がイギリスの大学院で政治学を勉強した時は、彼のエリート主義的な民主主義観というところを主に教えられた。この本で描かれるシュンペーターの社会学、経済学、政治学を統合する幅広い理論展開は、今でも新しい。
彼の生きた20世紀前半は、第一次、第二次大戦という人類の歴史上でも最も波乱万丈の時代。同時に、封建制度が終わり、資本主義が花咲き始めた時でもある。資本主義とは、アントレプレナーとは何かという根本的な問題を考え直す、いい機会を与えてくれた本だ。
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