2010年3月13日土曜日

「発明者に聞く」シリーズ K-Light[太陽発電ランプ]のデイル・ウィリアムス氏


ルワンダの夜、灯油ランプが灯され緑の大地に光が揺れ動く風景が広がる。この灯火のお陰で家族は夕食を作り、商売は途絶えることなく継続し、学生たちは読書を続けることができている。しかしながら、密集した住居環境で灯油ランプを燃焼させた際に体内に吸収される煙の量は、1日当たり煙草40本分の煙の吸収量と等しいほどと推定されている。

この事実に衝撃を受けた医学博士ウィリアムス氏は、ルワンダの状況に失望するでもなく、むしろ手ごろな価格で耐久性のある太陽光発電ライトの開発により問題を解決できないかということを考えた。ウィリアムス氏は、「人々は年収の14%を電灯や調理用の灯油の購入に充てています」と述べ、「私たちは、これまで年月をかけて長時間稼働可能なライトのデザイン開発を手掛けてきました。肝心なことは、一度彼らが太陽光発電ライトを所有すれば、もう燃料を購入し続ける必要がなくなり、結果的に家計の出費を節約することに繋がるということです」と説明する。

ウィリアムス氏の太陽光発電会社「ピサット」は、途上国向けの新興太陽光発電ライト市場の試験的な導入先としてルワンダを選んだ。またライトの分配方法は、グラミン銀行の例を参考に女性に焦点を当てることとした。「最初の規則として女性がお金を管理することを定めました」とウィリアムス氏は述べる。「私たちは、ルワンダの女性グループと一緒に働いています。グループに各6個のライトを提供し、彼らはそのライトを販売することでさらに多くのライトを購入することができるようになるのです。女性たちは皆、非常に上手くやっていますよ」

現在、ウィリアムス氏は太陽光発電ライトをケニア・タンザニア・ウガンダへも配布することで事業の拡大展開を計画している。さらには、学校施設へのライト供給という大きな挑戦を試みている。「私たちは学校向けの太陽光発電装置の提供に向けて動き始めています。ルワンダの教育省との話し合いも予定されています」と語る。ここまでを動かすものは何だろうか? 「ルワンダのある学校に太陽光発電装置を設置したところ、生徒の中にはこれまで電気に触れたこともない、コンピューターを見たこともない子どもたちがいました。機器に電源を入れた瞬間に生徒たちの表情が笑顔で一杯になったのを見て、これこそがやりがいであり価値のあることだと思ったのです」と話した。

小さな一歩から今、大きな将来像を見据えている。調査によると、灯油ランプから太陽光発電ライトへの乗り換えは、人々の健康と暮らしの向上に対して、直接的かつ即効性の高い効果をもたらすとされている。「例えば、太陽光発電ライトの導入により生徒が以前にも増して勉強するようになるなど、人々の生活水準をほんの少し向上する事に貢献することができます。もし、同様のことを100万人の人々に対して実施することができれば、素晴らしいと思うのです!!」とウィリアムス氏は話した。

(訳は八木[渥美]恵理子さんに手伝っていただきました。ありがとうございます!)


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