2011年1月25日火曜日

東ティモールのコペルニク・フェロー、マイケルからの便り

ケニアで活躍するTakuroと同じような活動を東ティモールで行ったコペルニク・フェローのマイケルは、定期的にアップデートを英語版ブログを通じて行っていました。先日彼は、フェローシップを修了し、ガーナのIDEでの仕事を始めるためシンガポールに一時帰国しています。その中で好評だったマイケルのブログの日本語訳が出来ました!

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しばらくご無沙汰していましたが、皆さんお待ちかねのアップデートです。さぞや辛抱強くヤキモキしながら待っていて下さったのではないでしょうか。

私たちは前回ミーティングが開かれ、コペルニクのテクノロジーが一部届けられたオシロを訪ねてきました。

朝早くに到着し、残りのQドラムを届けました。数時間のうちに、顔見知りの人達がぽつぽつと集まって来て、アンケートに答え、お金を払い、まっさらな新品のQドラムを持って帰っていきました。

この写真は、Qドラムが実際に使われている様子です。多くの疑問が沸いてきます。例えば、「この人は典型的なQドラムの使用者だろうか?」「ここはQドラムがよく使われる典型的な地形だろうか?」と思う人もいるでしょう。そして、はっきりしていることもあります。

  • この地域で水汲みをしている子どもたちは、ときどきQドラムを使っています
  • 急な斜面ではQドラムの運搬もはとても大変です。さらに、人々は小さなプラスチックの容器で水をすくってQドラムに水を溜めます
  • さらに、Qドラムの水の注ぎ口は比較的大きいので、カップや手を直接Qドラムの中に入れてしまうこともしばしばあります。その結果、池などから汲んできたばかりの汚い水をそのまま飲んだり、中の水がさらに汚れてしまうこともあります

オエクシ県の人々に実際にQドラムの使ってもらうことで、製品開発者たちに対して、客観的で有用なフィードバックを返せたらと願っています。

アンケート調査とQドラムの配分が進む中、私は3人いるCFEOスタッフのうちの一人と出かけることにしました。というのも、Qドラムのユーザーの数はとても少ないので(その地区には17世帯しかいませんでした)、彼らと似た住環境にあり、しかもQドラムのことは聞いたこともない隣の地域の人々をランダムに訪問し、Qドラムのユーザーたちに尋ねたと同じ質問を聞いてみることにしたのです。

これにより、単なる統計的なデータから多くのことが学べるといいのですが。一軒一軒訪ねて調査を行ったことは、素晴らしいことでした。気まずいときもあれば、楽しく、元気づけられるときもあり、大変素敵な人々に出会いました。さらに、CFEOにとっても良い経験になったと思います。

週が明けるとすぐ、私は6人のFEEOスタッフと一緒に、ソーラーランプ、ストーブ、そしてソルバッテンを車に積んで、スンニ・ウフェに出発しました。

目的地に到着すると、ドシャ降りの雨が降り始め、いろいろなものが洗い流され辺りはすがすがしくなりました。積荷を降ろしコミュニティーの人々が集まってくるのを待って、私たちはソルバッテンと燃料効率のよいストーブのデモンストレーションを始めました。どちらも、スンニ・ウフェの人々は誰も見たことがないものです。

ストーブの燃料効率がいかに良いかアピールするために、ご近所からお米を借りてきてその場所で調理しました。私たちは、期待通り驚くほど少量の木と短い手間でご飯を炊くことができま、お米を貸してくれた親切な近所の方に、夕食としてご飯をお返ししました。

私たちがデモンストレーションをして見せたテクノロジーは、大変な反響を呼びました。実は今回、私たちは農作物が次に育つ時期に販売しようと計画している「コーン・シェラー」も村人たちに少しだけお披露目したのですが、それも人々の関心を引いていました。。私たちは、この「コーン・シェラー」をもっと薄くて堅くないシート状の金属で作り、重ねたり折りたたみができるよう、改良を加えているところです。

ミーティングが終わるやいなや、アンケート調査と販売を開始しました。少々ドタバタしながらではありましたが、FEEOスタッフらは、現地の人々の暮らしや、彼らが欲しがっているテクノロジ―について、大変よく調べてくれました。さらに、彼らを販売システムの中に位置付け、現金と掛売りによる販売の仕組みも実に上手く立ち上げてくれました。


最近のお買いもの

人々は実際にその場でストーブを買ってくれたことに、少し驚きました。様々な魅力があったのでしょうが、村人たちにとって、ストーブを見たのはその日が初めてであったこと、そして、人々が調理方法を変えたがらない傾向にあることにも関わらずです。実際、これまでにもインド製のストーブをはじめ、よい製品が幾つか持ち込まれましたが、燃料のまきをわざわざ細かく割る必要があったため、現地では受け入れられませんでした。

おそらく、これには集団心理も働いたのでしょう。村の人々は、誰かが新しく物を買うとき、お互いにその様子を見ているし、見られていることも分かっています。仲間同士のこうした相互プレッシャーによって、新しい製品を受け入れる際の抵抗感が小さくもなります。この集団の力によって、ミーティング後、人々は新しく使えるようになった新製品に対して良い印象を持つことになるでしょう。

FEEOはその日、たくさんのお金を集めました。これは以下の観点から良い兆候です。

  • 品質と販売方法がしっかりしている限り、オエクシ県においてランプとストーブを販売し収益をあげることは可能です。
  • また人々は、それぞれの家庭で現在使っている照明や調理器具に代わるテクノロジーがあれば、お金を支払うことも厭いません。
ただ、今回の販売で、多くの在庫がはけたわけではありません。ミーティングを開き、その地区を訪問するために必要な時間と手間を考えると、製品を届け調査を行うという作業は、単発のイベントではなく、より大きな比重を占める継続的な事業プロセスとして組み込まれるべきなのでしょう。

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