先日、アマゾンのキンドルで、「貧困層のポートフォリオ」 (Portfolios of the Poor - how the world's poor live on $2 a day)を購入した。私の買っている本をもとに出てきたお勧めリストに入っており、よいレビューにひかれたから。
NYUの教授など4人で共同執筆されたこの本は、バングラデシュ、インド、南アフリカの250の貧困家庭のお金の支出パターンを地道なリサーチで集め、そのデータを紹介している。
例えば、ひと月のお金の流れを以下のように示している。南アフリカに住む、この77歳のノムサさんの家では、4人の孫との5人暮らし。母親はエイズで死亡して、政府からの補助で暮らしを賄っている。1家庭での120ドルという月の収入ながらも40ドルを貯金している。
また、バングラデシュのラムナさんが、2002年から2005年の間に、マイクロファイナンス機関から借りたお金の金額とその用途を分析。マイクロファイナンスが期待している、「ビジネスへの融資」とは裏腹に、実際には、ローンが食糧、葬式、学費や医療費などに使用されているのを浮き彫りにしている。
これ以外にも、多くの家庭の家計について、非常に示唆に富むデータが満載だ。開発援助の分野で、いい意味でこれほどの執拗なデータ集めと分析はあまり例がないだろう。
マイクロファイナンスとは異なり、テクノロジーをテコに貧困削減の加速を狙うコペルニクでも、いつかこれほどのきめ細かな分析をしたい。
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