2011年9月15日木曜日

Takuro便り19: Charcoal projectの現状分析


前回のポストと、順番が前後しましたが、ケニアにいるTakuroより、炭作りプロジェクトの現状分析のブログです。

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前回のケニア滞在から約5ヶ月ぶりにCharcoal projectのフォローアップをするためにケニアに戻ってまいりました。ナイロビに滞在していた時、最大の問題はマーケットが小さく収入を十分に集める事ができないと友人から聞いていました。つまり、ボトルネックは流通部分にあると

そして、実際に自分の目で確かめるべくCharcoal projectが行われている村に直行致しました。まずは、現地でのプロジェクトリーダーであるJosephとのディスカッション。

・キャッサバの確保

ここで分かった新たな問題は、キャッサバの確保です。キャッサバは農業廃材を炭化した後に、粉末状の炭をくっ付けるバインダーとして使用します。

バインダーとなりえる条件は、粘着性、可燃性、煙を出さない、の3点です。キャッサバはこの条件を満たすという事で、今まで使用していました。しかしながら、同時にキャッサバを使用する事による固有の問題があります。1つ目は、価格が変動するという事です。キャッサバは食べ物であるため、他の食べ物の流通量が減るとキャッサバのニーズが高まるためキャッサバの値段が上がります。実際に、現在はトウモロコシの流通量が減少傾向にありキャッサバのコストが上昇しています。2つ目は、マーケットが小さいという事です。私が滞在している地域ではキャッサバが主食ではないためマーケットが元々小さいという問題があります。そのため、大量に炭を生産するとなると大量にキャッサバが必要になるため、キャッサバが少ない事が大量生産のボトルネックとなっています。

Charcoal projectのマネージメント

次にワークショップを見に行きます。しかしながら人がいません。そして、炭を作るためのドラムとコンプレッサーもありません。当初の予定では、このワークショップに集まって共同作業する予定でした。Josephに聞いてみると、今はトウモロコシの収穫時期ということでBeneficiariesは忙しくてCharcoal projectに手が回らないとの事。また、このワークショップに炭を生産するツールがないのは、Beneficiariesが議論して家に持ち帰ったためとの事。Beneficiariesの多くはこのワークショップの近くに住んでいるわけではないので、炭を作るためにわざわざ通うのは大変という事で、今は必要なサトウキビの廃材はその都度、取りに来るという方法を取っています。しかしながら、半年近く経ってもMuimias Sugar Companyから提供された炭がまだ大量にあり、Beneficiariesの顔が見えない状態だったので、とても不安になりました。また、前回私がケニアを離れる時にCharcoal projectのマネージメントもJoseph以外はコミットしていない状態で、マネージメントがどれくらい上手く行っているのか怪しい状況でした。

サトウキビの廃材の保管場所

サトウキビの廃材

・コンプレッサーの数の不足

次に、Beneficiariesにインタビューです。上記で述べたマネージメントの状況からBeneficiariesがワークショップで生産していないため、お互いに刺激し合う事が難しい状況となっています。この事から、どれだけモチベーションを持ってCharcoal projectに取り組んでいるのか不安になりながらBeneficiariesのリーダーの所に向かいます。

そして、BeneficiariesのリーダーのMaurinとのミーティング。

Maurin

インタビューしてみると、Charcoal projectが順調に回っている事が分かりました。ミーティングも月に1~2回ほど開いて、6つのグループの進捗状況の確認や問題のシェアをしたりしています。そして、Beneficiariesから見た問題点を聞いたところ色々とクリアになりました。

ミーティングの様子

Charcoal projectのバリューチェーンは上記の図のようになっており、主に調達、生産、流通の3つのステップからなっています。この3つのステップについてチャレンジを聞いてみました。当初、ナイロビでは友人から一番の問題は最後のステップの流通と聞いていました。つまり、マーケットが小さく(認知度が低いため)十分な利益を得られていない。しかしながら、当事者に話を聞いてみると、問題はもっと根本的な所にありました。

- 調達

炭を生産するためには、農業廃材とキャッサバを確保する必要があります。農業廃材に関しては、Mumias Sugar Companyからサトウキビの廃材の提供を受けているため問題はありません。しかしながら、上記で述べた通りキャッサバの確保が難しいという問題があります。Maurinもキャッサバの入手を問題に上げていました。

- 生産

次に生産に関してです。炭を生産するためには5つのプロセスがあります。そして、その中でも道具を使うべきポイントが3つあります。1つ目は、農業廃材を炭化するためのドラム。2つ目は、炭化した炭を粉末にするためのクラッシャー3つ目は、バインダーとミックスした炭を固めるためのコンプレッサー。なお、2つ目のクラッシャーに関しては、Mumias Sugarから提供を受けているサトウキビの廃材が既に細かく砕かれているためクラッシャーを使う必要がありません。さて、この生産プロセスで、Maurinが上げた問題が、コンプレッサーの数の不足です。現在このプロジェクトでは、51グループのグループが6つあります。そして、各グループが1つのコンプレッサーを所有しています。つまり、5人で1つのコンプレッサーを共有している状況です。このため、炭を固めるプロセスでの生産性がとても悪いという状態です。もし、コンプレッサーが5つあれば単純に炭の生産サイクルが速くなるため生産率が2,3倍に上がります。ということで、コンプレッサーの数の不足がもう一つのボトルネックとなっています。当初このプロジェクトを始めた時は、炭はprofitableなので3ヶ月ほどで初期投資がカバーでき、そして4ヶ月目から2つ目、3つ目のコンプレッサーと投資が可能になると思っていましたが、キャッサバの問題があるため生産量が十分ではなく資金を十分に得られていないという状況に陥っていました。

- 流通

最後のステップは流通です。生産した炭を如何に売りだすのかという部分です。最初はこの部分が一番の問題であると聞いていましたが状況は少し異なるようです。

Maurinに話を聞いてみると、最初は顧客を確保するのに苦労したが今では、数名の顧客がいて生産量に見合う収入を得られているということです。4月から6月の約3ヶ月で5つのグループ3,000Kshほどの収入を得られたそうです。ただし、1つのグループはメンバーのやる気が少し低いため900Kshほどです。

どのように顧客を確保したのかと聞いたところ、4月に近くのマーケットでField Dayというイベントを開催して生産した炭を披露したそうです。このField DayというのはDistrict Agricultural Officerの元、農業分野に関係する何か新しい発見等があったら、それを披露するイベントだそうです。

たくさんの人が集まっています。

Field dayで炭について説明しています。

・コミットメントの問題

また、Maurinとのインタビューで上記の内部的要因とは別に炭の生産率を下げる外部的要因が存在する事が分かりました。


この地域でいる女性の大部分は、この地域で主食となっているウガリの材料であるトウモロコシの種蒔き、収穫に関わっています。種蒔きは、雨季の前に行われ、収穫は雨季の後に行われます。そして、西ケニアでは雨季が2回あるので、トウモロコシの種蒔き、収穫も2回あります。(2 seasonある) これらが炭の生産量を減少させる外部要因となっています。

・トウモロコシの種蒔きと収穫

トウモロコシの種蒔きは、雨季の前の2月下旬から3月の中旬、そして8月の中旬から9月の上旬にかけて行われます。収穫は、7月から8月の上旬にかけて、そして11月から12月の中旬にかけて行われます。女性の大部分がこれらの仕事に関わっているため、自動的にこの期間になると炭の生産に対するコミットメントは減少します。

・雨季

西ケニアで2回ある雨季。昼過ぎになると雨が降り出します。炭の生産(炭化)は外で行われるため、雨が降るという事はその時間炭を生産出来なくなるという事です。Maurinの事例をあげると、12時過ぎに炭化を始めたが、2時前に雨が降り出して、炭化していた材料がダメになったそうです。

・まとめ

まとめると、生産が上がらない理由は、キャッサバの調達の難しさコンプレッサーの数の不足による内部要因と、雨季畑仕事によるコミットメント率低下の外部要因によると物と判明いたしました。外部要因に対する解決策は難しいため、生産率を上げるための方法は内部要因にあります。つまり、キャッサバの調達の難しさとコンプレッサーの数の不足に対する解決策が分かれば自ずと生産率も上がるはずです。

次回は、この問題に対する取り組みを紹介していきます。

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