2010年1月30日土曜日

ビジネス対チャリティー論争

さて、相変わらず、ビジネス対援助の議論が白熱している。

最も表立っているのが、コロンビア大のジェフリー・サックス対ニューヨーク大のウィリアム・イースタリーのもの。この伏線となっていたのがダンビサ・モヨDead Aidという本。すべての開発援助の効果を真っ向から否定し、ビジネスでの開発を唱えるイースタリー・モヨ陣営に対し、開発援助にもいいものと悪いものがあるというサックス氏。例えばこのやりとりを見てもらえば分かる。これはサックス氏の勝ちではないか。特に、公的な支援をすべて否定するモヨ氏に対して、あなたの今があるのは、国費奨学金で留学できたからではないのかと言う部分は的を得ている。

先日も似たような議題で、デモス(Demos)というリベラル色の強いアメリカのNPOが企画したイベントに行ってきた。スピーカーの一人は、最近Small Change-Why Business Won't Save the Worldという本を出版したマイケル・エドワード。もう一人は、philanthrocapitalismという本を出版するマシュー・ビショップ。期待して行ったのだが、この日の議論には拍子抜けした。特にマイケル氏の資本主義に対する批判が、イデオロジカルになり、とにかくなんでも批判してやろうという態度。一方マシュー氏の方がかなりまともで、バランスのとれた議論を展開。

以前も書いたが、どう考えても、パブリックとプライベートな支援を上手く組み合わせるというのが最も効果的であるという結論に達せざるを得ない私としては、これらの議論は実に机上の空論に過ぎないような気がするがいかがなものか。



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