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Trainingが終ったということで、各家にドラムとPress器が渡りました。
今回は、EmilyさんとFaustinさんが炭作りの材料にトウモロコシの枝を使用するという事なので着目してみました。トウモロコシの枝を使用するのは始めてのケースです。なので、どのような炭が完成するか楽しみですね。
ドラム缶にトウモロコシの枝を入れ、燃焼後炭を取り出します。
先日、手に入れたクラッシャーを利用して全てをクラッシュします。
とても細かい粉末が出来ました。これはトウモロコシの芯よりも細かいですね。
そして、キャッサバミックスチャーと混ぜてPress器で固めていきます。
EmilyさんとFaustinさんの家は隣にあるので、一緒に活動しています。
さて、トウモロコシの枝を利用して炭を作った訳ですが、今回はたくさんの気づきがあったのでまとめたいと思います。
【気づいた事】
1.キャッサバの分量
キャッサバミックスチャーと粉末にした炭の分量はとても大事です。実は今回の炭の製作で3回キャッサバミックスチャーを作ったのですが、そのうち1回目と2回目は失敗しました。1回目と2回目のキャッサバミックスチャーは、とても軟らかく粘つきました。そのため、Press器で使用しても隙間から炭が飛び出してきて固まった感触もなく、またPress器から取り出すときもべた付いて、取り出すのがとても困難でした。ということで、この問題点は粉末にした炭に大量のキャッサバミックスチャーを混ぜたため起きたという仮説に基づき3回目は粉末にした炭になるべく少なめにキャッサバミックスチャーを混ぜてみました。すると、とてもハードな炭が出来上がりました。Press器で固めても全くべた付かず、Press器から取り出すのも容易です。しかも、1回目、2回目よりも硬いのが特徴です。まとめると、キャッサバミックスチャーは手にべた付かない程度まで粉末の炭に混ぜるのがベストということです。
Press器の隙間から炭が飛び出して来ます。
Press器の上部に炭が付く。
Press器の下部にも炭が付く。
最適な分量でPress器をしようすると綺麗に固まります。
炭も綺麗に取れます。
2.トウモロコシの芯と茎の違い
今回は、トウモロコシの枝のみを使用したということで、前回使用したトウモロコシの芯との違いを確認することができました。違いは、収集の難しさ、最終物の硬さ、最終物の量、炭の効果の4点です。
2.1 収集の難しさ
まずは収集の難しさの比較をしてみます。炭を作る材料はトウモロコシの芯と枝、そしてサトウキビの3つが代表的な材料なのでこの3つを比較します。比較するには、時期、場所、需要、畑所有の有無の4つのファクターがあります。
・時期
時期に左右されるのが、トウモロコシの芯と枝です。トウモロコシの収穫時期が1年で8月と12月の2回です。そのため、収穫時期から3ヶ月ほど経過すると手に入れるのが困難になります。ちなみに、今の時期はトウモロコシの芯は手に入れることはとても難しいですが、枝はまだたくさんあります。
畑にトウモロコシの枝が大量にある。
・場所
場所に影響されるのが、サトウキビです。サトウキビは1年中収穫されていますが、収穫場所はバラバラです。そのため、近くで収穫されない限りサトウキビを集めるのは難しいです。
サトウキビの収穫。
・需要
ここで言う需要とは料理の際の材料としての需要です。このレポートで述べた通り、料理をする際には木材や木材に代わる材料を使用します。さて、木材に代わる材料で人気が高いのがトウモロコシの芯とサトウキビです。トウモロコシの芯に関しては、後で述べる通り密度が高いため木材に変わる材料としては最適です。サトウキビは収穫から3日後になると、残りのサトウキビが乾燥し出してきます。すると、周りに住んでいる住人が我こそはと乾燥したサトウキビをたくさん持っていきます。ということで、なるべく多くのサトウキビを手に入れるには、どこで収穫が行われるかという情報をなるべく早めに知ることが重要です。
トウモロコシの芯を使用して料理中。
・畑所有の有無
畑があるかどうかに左右されるのがトウモロコシの芯です。トウモロコシの芯は収穫時期に農家の人がコーンをトウモロコシから取り除いた後に出る来る物です。そのため、トウモロコシの畑を所有していない限りトウモロコシの芯を大量に手に入れることは上記で述べた通り需要があるので難しいです。
大量にあるトウモロコシの芯。
2.2最終物の量
2つ目の違いは最終物の量の違いです。まずは、2つの写真を見てください。
両方ともドラム缶を材料で満タンにして作ったものです。しかしながら、量が圧倒的に違います。1枚目の写真がトウモロコシの枝から作られたもので95個のブロックがあります。2枚目の写真はトウモロコシの芯から作られたもので215個のブロックがあります。なぜ、このような違いが出たかというと、それは密度が違うからです。例えば、乾燥したトウモロコシの枝を見てみると、内側がとてもスカスカであることが分かります。しかし、トウモロコシの芯は内側まで実が詰まっているため密度が高いです。ということで、ドラム缶を満タンにした状態でも密度の高さから芯の方がたくさんの炭を生産することが出来ます。つまり、使用する材料によって、1つのドラム缶から得られる利益も変わってくるという事です。
ちなみに、サトウキビはどうなのでしょうか?写真を見てみると、トウモロコシの枝と比較してスカスカ度が低いことが分かります。つまり、サトウキビでドラム缶を一杯にした場合はトウモロコシの枝と芯の間の100~200個ほどのブロックが作れることが予想できます。
トウモロコシの枝
トウモロコシの芯
サトウキビ
2.3最終物の硬さ
3つ目に最終物の硬さを比較してみます。理想の分量のキャッサバミックスチャーを混ぜたという前提で、Press器で固めます。Press器で固めた後、硬さを比較すると芯の方が硬いことが分かりました。これは、炭の粒子自体の硬さに依存しているのではと推測できます。実際に、トウモロコシの枝と芯を潰してみて比較してみます。
動画を見てもらえば分かりますが、トウモロコシの枝は2つの指を使って簡単に砕くことができます。しかし、芯は力を入れないと砕くのが大変です。
2. 4 炭としての効果
最後に、一番重要な炭を使用する際にどれほどの違いがあるか確認します。確認するポイントは煙の量、水を沸騰させる時間、持続時間の3点。
・実験方法
実験方法は、前回実験した方法と同様に焜炉と500mlの水を使用します。
トウモロコシの枝で作った炭
500mlの水が入った鍋をのっけて実験開始。
・実験結果
-煙の量: まずは煙ですが、トウモロコシの枝も芯も火を付けた最初の数十分は煙を出すことが分かります。煙の量は、Fire woodsよりは少ないという量ですが、この煙は目を沁みさせるに十分な量です。
-水を沸かせる時間: 次に水を沸かせる時間ですが、大きな差がでました。トウモロコシの芯で作った炭は14分50秒で水を沸騰させることができましたが、トウモロコシの枝で作った炭は30分経っても水を沸騰させることができませんでした。(80℃以上のお湯を作ることはできます。) なぜ、このような差が出たのかという分析ですが、1つの可能性として炭を作るマテリアルに依存すると考えられます。芯の炭は細かくしても1つ1つが硬いため全体として大きなエネルギーを放出するのかもしれません。実際に、キッチンで使う際に芯の方が枝よりも火力が強いです。そのため、上記で述べたとおり需要があります。
-持続時間: 最後に持続時間ですが、これも大きな差が出ました。トウモロコシの芯の方は、1時間30分以上持続しますが、枝の方はさらに長く3時間以上持続します。
1時間30分後、まだ小さいピースが燃えています。ちなみに、とても熱いです。(芯の炭)
2時間後、初めの原型を崩さず保っています。(枝の炭)
3時間経過しても多くのピースがまだ燃えています。(枝の炭)
この差は炭の細かさに依存するのではないかと考えられます。粉末が細かいとその分密度が高い炭を作ることができます。上記の最終物の量の違いに似ていますね。芯は1つ1つが小さくまた、密度高いのでドラム1つからたくさんの炭を作ることが可能ですが、枝は大きく、密度低くためドラム缶の中にたくさんの隙間ができたくさんの炭を作ることができません。実際に、炭の表面の違いを見てみるとそれが分かります。トウモロコシの芯の方が表面に凸凹(隙間)がたくさんありますが、枝の方はとても滑らかです。
表面に凸凹がたくさんある(芯の炭)
細かい炭のためとても表面が滑らかな炭(枝の炭)
・おまけ
さて、トウモロコシの枝で作った炭は500mlの水を沸騰させることができませんでした。それはつまり料理をすることが出来ないということ意味なのでしょうか?ということで、料理をすることが可能かどうかを引き続きこの炭を使用してお米を炊いてみました。
お米をセットする。
蓋をしてお米を蒸します。
そして、なんと20分後にご飯が炊き上がりました。水を沸騰させることはできませんが、料理をするのには適していることが分かりました。
味はとても美味しかったです。
以下まとめです。
| 最終物の数/ドラム | 最終物の硬さ | 煙の量 | 水を沸騰させる時間 | 持続時間 |
トウモロコシの芯 | 215個 | とても硬い | 最初の数十分 | 14分40秒 | 1時間30分以上 |
トウモロコシの枝 | 95個 | 硬い | 最初の数十分 | 30分以上 | 3時間以上 |
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