スタンフォード大学でDesign for extreme affordabilityというコースがあるが、その名前をとったセッションがあった。スピーカーの一人はそのコースの卒業生でDrip Irrigationという少量の水をピンポイントで作物に与える技術をつかった、Drip Techという会社を興した。
その彼の起業の過程、直面した困難、資金集めなどの話を披露。最初は彼の裏庭でプロトタイプを作って始めたという。パイプに小さい穴を開けるところが技術的に難しいらしく(私のような素人には穴をあけるだけのような気がするのだが)、中国で買ったパイプを彼らの本拠地であるカリフォルニアまで輸送して、穴をあけて、また送り返しているという。最初の顧客は中国の地方政府だったらしい。
もう一人のスピーカーは、MITのビジネスコンペティションの勝者でもある、Clickdiagnosticsから。この会社は携帯電話を使って、遠隔診断をするというもの。ペンシルバニア大学の医学部が提携している。例えばケニアの農村にある診療所で判断できないケースをヘルスワーカーが、携帯電話をつかって写真を写し、10ほどの質問事項への答えとともに、それをあるアドレスまで送る。それがペン大まで転送され、それに対して、診断の結果をヘルスワーカーまで送り返す。ペン大学としてのインセンティブは、今まで研究費用を使って探していた稀な病気が発見できるということらしい。
サービスの価格設定とソフトウェアの構築で苦労したというが、非常に楽しそうに話していた。このClickdiagnosticsのモデルは個人的にもかなり気に入った。アフリカでの携帯普及率は非常に高く、端末の機能が充実するの応じて、こういったサービスはもっと幅が出てくるはずだ。
片道4-5時間のバスの移動は疲れたが、なかなか実りのある旅であった。
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