2011年10月27日木曜日

Takuro便り22:コンプレッサー不足への対策

タクローです。
3週間ほど前に日本に帰国しましたが、引き続きこの2ヶ月で進展した炭プロジェクトを報告したいと思います。

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Charcoal projectの現状分析で2つ目の問題として、コンプレッサーの数が不足している事を挙げました。では、なぜコンプレッサーの数が不足するのでしょうか?それは、コンプレッサーの価格が1つ400Kshほどと高価であるからです。

今までは、MIT のD-Labで研究されて開発された技術は完成されているという認識のもと、活動していましたが、前回のキャッサバの代替手段がある事を受け、D-Labで開発された炭の技術はあくまでも土台で、そこから現地の状況によって改良を加えていく必要があると分かりました。

1. 分析
ということで、このコンプレッサーも改良できる部分はないか検討する事にしました。
そこで、構造をシンプルにするために、まずコンプレッサーの最低限必要な要素は何かを再確認する事にしました。
コンプレッサーで必要な要素は以下の2つです。

1.1 固める事
1つ目は、固める事です。具体的には、上面、下面、側面の3つのパーツがあります。これらの3つパーツに圧縮される事によって炭は固められます。D-Labで開発されたコンプレッサーを分析してみると、側面と下面が固定されており、上面が稼働して炭を固める機構になっています。


炭を固めるには、まずは下面の部分をパイプにはめます。


下面をセットしたら、炭を入れて上面をパイプの中に入れていきます。



炭を固めたら、下面を押し上げて炭を取ります。

1.2 固めた炭を取り出す事
2つ目は、固めて炭を取り出す事です。炭を取り出すためには、どこかに出口が必要となってきます。D-Labで開発されたコンプレッサーは上面をオープンにする事ができ、下面が炭を押し上げて炭を取り出す事ができます。つまり、炭の入口と出口が同じになっています。
以下がコンプレッサーを使用して炭を固めている動画です。
https://picasaweb.google.com/lh/photo/WMotcl3kQmnryqB2C1N6V9D41BprzRVl-UKTqi3GRYU?feat=directlink

2. アイデア
さて、上記の2つの要素を満たす一番シンプルな形は何でしょうか?よくよく考えてみると、炭を上に押し上げる機構は便利ですが、絶対に必要である要素ではない事が分かります。そこで、思いついたのが以下の構造。




どこか平らな場所において、パイプの上面から炭を入れ、上面からプレスします。その後、固めた炭は下面から取り出すというとてもシンプルな機構です。

3. 作成
ということで、さっそく地元の溶接工にお願いして作ってもらいました。
まずは、パイプ、棒をカットします。


次に、圧縮するためのプレス部分の面を切り取り、鉄ヤスリで削ります。



これでマテリアルが整いました。後は、溶接です。


実は、溶接する前に一工夫が要ります。それは、パイプとプレス部分の間に隙間が出来てしまうのでそれをどう埋めるかです。プレス部分を溶接して面積を増やし過ぎても逆にパイプに入らなくなるという事も考えられるため、溶接工の技量が発揮される所です。

この溶接工は鉄線を円形にまるめて大きさを調整して、それをプレスの面に溶接する事によって解決しました。





プレス部分が見事に円形になっています。


4. 評価
さて、ここで漸くコンプレッサーが完成したわけですが、実際に比較するとどのような違いが表れるでしょうか?

・使用する部品の数
コンプレッサー作成で使用する材料は鉄です。当然使用する部品の数が減少すれば使う鉄の量も減少します。D-Labで開発された鉄を6つ使用していますが、今回の物は半分の3つしか使用していません。

・溶接する場所
溶接はテクニックがいる所で溶接する箇所が多くなればその分時間が掛ります。D-Labで開発されたコンプレッサーは溶接個所は3か所ですが、今回は1か所です。

・価格
さて、一番の目的であった価格はどうでしょうか?上記のように、使用する部品の量が半分になり、溶接する場所も1/3になったため価格も半分以下の約150Kshになりました。

まとめると以下のような違いがあります。


以下は、実際に作業してみて効果的かどうか確かめました。
https://picasaweb.google.com/lh/photo/OD97zGeDf4xNQqdDXexoA9YkrhdGdsLXcGAil31v3sU?feat=directlink

上記の動画の通り実際にコンプレッサーとして機能する事が分かりました。

5. 改良
時間がなくて実行はできませんでしたが、さらに価格を下げるために材料を変えるという方法があります。例えば、価格がより安いレンガを加工してパイプの替わりに使用すると行った方法が考えられます。





2011年10月24日月曜日

ウガンダよりその2:スペシャルニーズユニットの子どもたちの紹介

(文責:ウガンダ在住のMotokoさん)

今回はスペシャルニーズユニットの子どもたちの紹介です。

ルウェロボーイズ小学校には、スペシャルニーズユニット(特別支援学級)が1つあります。小学1年生の障がいをもつ子どもたちだけが、このユニットで勉強をしています。

それぞれの村で生活していた子どもたちは、村では手話を知っている人がほとんどいないため、学校で初めて手話に出会い、手話を習います。そして、1年生で習う基本的な内容、ローカルの言語(ウガンダ語)、英語、算数、宗教(キリスト教orイスラム教)を主に学びます。

学校によっては、手話を知っている先生はウガンダには少ないので、学校によっては聴覚に障がいのある生徒がいても、手話を習うことができず、ただ在籍しているという状態の生徒がいることも現状です。

ルウェロボーイズでも2年生から7年生までは、ユニットではない100名程の障がいのない生徒と同じ学級で、手話や情報保障のサポートがないまま学んでいるため、厳しい現状です。

それでも、今日も子どもたちは元気に学校に登校しています!

2011年10月22日土曜日

お知らせ:アショカ・フェローによるスピーカー・シリーズ(第1回)

いつもお世話になっている、伊藤健さんからのお知らせです。プニさんは、私も個人的に知っているすばらしい社会起業家です。皆さん是非ふるってご参加ください!

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アショカ・ジャパンが企画をしております、アショカ・フェローを招聘しての講演会についてのお知らせです。

エネルギー問題と地域活性化という、東日本大震災後の日本がまさに直面する課題に対して、コミュニティ・ベースの取り組みで解決を図る、インドネシアのアショカ・フェロー、トゥリ・ムンプニさんが来日します。東京のセッションには「チェンジメーカー」著者の渡邊奈々さんもコメンテーターとしてご参加くださいます。

是非お誘い合わせの上ご参加ください。お申込みは以下のウェブサイトより受付ております。

(申し込みウェブサイトはこちら)

http://eijipress.co.jp/ashokajapan/ss01/

当日みなさまにお目にかかれますことを、楽しみにしております。

どうかよろしくお願いいたします。

伊藤健

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アショカ・フェローによるスピーカー・シリーズ(第1回)

インドネシアの社会起業家 Tri Mumpuni (トゥリ・ムンプニ)氏が来日

「コミュニティベースの小規模水力発電事業によるエネルギー課題解決と地域活性化」

(11/9関西 11/12東京)


インドネシアでは人口の半分近い一億一千万人に電力が届いていません。三万二千を超える村は、奥深い僻地であったり、人口が少ないという理由で政府の電化のための投資から除外されています。彼らは日が暮れれば蝋燭を灯し、健康に害を及

ぼすケロシンで料理をする。当然、生産性は低く、電力にアクセスのある人たちとは隔離される生活を余儀なくされています。この問題に対して、これまでに行政と民間が、様々な解決を試みてきましたが、根本的な解決モデルはありませんでした。

そんな状況に輝く光を投げかけたのが、プニ(トゥリ・ムンプニの愛称)だ。プニの目標はあくまで「住民の生活改善」であり、電力の導入は、そのツールだと考えています。導入先の村を決めると、プニはまずその村に2、3ヶ月住み込み、村人たち自身が、村をイノベートする『当事者』となるトレーニングを開始します。このトレーニングは「政府から面倒をみてもらう受け身の存在から、自分自身でコントロール権を持つというメンタリティーに変える訓練で、住民の誇りと責任感を回復しようというものです。

そのあとに発電機を持込み設置します。貧困の解決は、同情心によるサポートではなく「誇りと責任感」を当事者である住民に持たせることが必要だと彼女はいいます。

「政府に影響を受けない、独立したモデル」が答えであると確信したプニは、大臣や官僚に対する説得を辛抱強く続け、ついに2006年4月、大統領が、プニのモデルを正式に認可した。同年、プニはアショカ-フェローとして選出されました。

「たまたま恵まれた環境に生まれた私に、神が貧しい人たちを助けるチャンスを下さったのだと感じます」と楽しそうに語る、さわやかで、チャーミングなプニの話をぜひ聞きにいらして下さい!

渡邊奈々

Ashoka-Japan Leadership Team

Vision Creation 責任者

【開催概要】

今般、一般社団法人アショカ・ジャパンでは、アショカ・フェロー・スピーカー・シリーズの第1回として、「コミュニティベースの小規模水力発電事業によるエネルギー課題解決と地域活性化」をテーマに、インドネシアIBEKA(People

Centered Economic & Business Institute)のTri Mumpuni氏を招聘、東京(11月12日、東京大学本郷キャンパス)・大阪(11月9日、関西学院大学)での講演会を行うほか、日本のエネルギー課題や政策に関係する企業、NPO、行政関係者等との交流を行います。

インドネシアでは、人口の半数近い1億人以上が電力のアクセスがない無電化状態にあるが、Mumpuni氏が運営するIBEKAのコミュニティ小規模水力発電事業は、現在インドネシア40ヶ所以上の地域で、協同組合形式による発電事業を行っています。この事業は、地域コミュニティが主体となり平均出力250KW程度の電力設備に出資、また維持管理を行うことで、地域の電力供給を実現するほか、地域の電力会社への売電収益により地域の活性化を行うものです。このIBEKAによる小規模水力発電の事業は、東日本大震災を契機に、急速に見直しが進む日本のエネルギー政策と地域経済の課題に、大きな示唆を与えるものとなるでしょう。

【講演会実施詳細】

■ 関西開催

日時: 11月9日(水)  午前9:00-10:30

場所: 関西学院大学G号館西宮上ヶ原キャンパス301号室

http://www.kwansei.ac.jp/pr/pr_001086.html

参加費: 無料

言語:英日逐次通訳

■ 東京開催

日時: 11月12日(土)  午後2:00-5:00

場所: 東京大学本郷キャンパス 福武ホール

http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/

参加費: 2,000円 (学生 1000円)

言語:英日同時通訳


モデレーター:

中島大氏  (社)小水力開発支援協会代表理事

パネリスト:

兼瀬哲治氏 熊本県山都町町議会議員、熊本小水力利用推進協議会委員長

豊岡和美氏 吉野川みんなの会代表、徳島小水力利用推進協議会事務局長

コメンテーター:

渡邉奈々 一般社団法人アショカ・ジャパン


【Tri Mumpuni氏略歴と活動紹介】

Tri Mumpuni氏は1983年にインドネシア・ボゴール農業大学を卒業後、国連開発計画にて都市貧困層に対するコミュニティ・ベースの住宅プログラムに従事。

1992年に農村地域の電化事業の重要性を改めて認識し、IBEKAを設立。以降インドネシア政府との交渉を続け、2002年にはコミュニティ発電によって発生した余剰電力の買取の合意を取り付ける。2004年には全ての中電圧電力の買取が認められる。(IBEKAウェブサイトhttp://ibeka.netsains.com/)

【お申し込み】

関西、東京ともに、以下の申込ウェブサイトより、必要事項を記入の上お申し込みください。

http://eijipress.co.jp/ashokajapan/ss01/

【お問い合わせ】

本講演についてのお問い合わせはアショカ・ジャパン (担当:伊藤 kito@ashoka.org)までお問い合わせください。

以上

2011年10月20日木曜日

慶応大学での講演

コペルニク日本支部事務局の原田です。

104日、慶応義塾大学にて井上英之(政策・メディア研究科)准教授の担当講義「社会起業とイノベーション」に代表の中村がゲスト参加しました。

「社会起業とイノベーション」は、社会起業の先行事例から、そのマネージメントやイノベーション性をディスカッションによって抽出する形式の講義。参加学生は、個々に設定したミッションを基に「My project」を事業化しており、社会課題の解決という文脈においてコペルニクのあり方を話し合えました。

学生のうち何人かは既に起業しているとか。

中村自身の経歴やコペルニクの事業説明を講演している際も、学生は非常に前のめりな姿勢で、積極的な質問が多く寄せられました。学生一人一人がプロジェクトを持っているためか、質問は机上の空論ではなく、実用性を伴っているという実感。

セッションでは、今後日本でより広い寄付市場を作るにはどのような手段があるか、日本の技術を途上国支援事業に繋げるアイディアの二点について議論を行いました。

前者に関しては、寄付者がテクノロジーを使うシーンを設定することや、寄付のポートフォリオを組むためのプラットフォームを整備するといった意見が挙げられ、寄付者に対していかにインセンティブを与えるかという点に焦点が集まりました。

後者に関して議論の中心は、いかにして日本の技術者の肌感覚を養うかという点。技術者を現地に連れて行くスタディーツアーの実施することで、現地のニーズを把握し易くなるという意見が挙げられました。技術者が現地のニーズを的確に把握することで、日本が有する技術をニーズにマッチした形で提供できるという結論に。

講義全体を通して感じたのが、学生のバックグラウンド知識が豊富であること。例えばIntellectual ventures(ビジネスプランコンテストを一般公募で行う米国企業)の話が、日本の既成の技術をどうビジネスモデルに組み込むかという議論内で出てきましたが、関連知識が多いと問題に対するアプローチの幅が広がりますね。

フィリピンから英語を輸出するビジネスを立ち上げた学生や、途上国で観光客をターゲットとしたお土産を生産、販売するモデルを導入しようとしている学生もいれば、将又アマルティア・センに影響され自分自身の生き方が最大の関心事であるといった学生もいて活気溢れる講義でした。私達も大変刺激を受けさせて頂きました。

2011年10月19日水曜日

企業セミナーの報告

(文責:日本事務局スタッフ 原田泰)

9月27日、30日に広尾のJICA地球ひろばにて企業向けのセミナーを行いました。中村によるコペルニクの活動紹介に続き、コペルニク協働パートナーである大和証券とリコーより担当者様より社内でのCSRの取り組み及びコペルニクとのパートナーシップについてお話頂き、様々な視点からコペルニクの活動をご紹介するセミナーとなりました。

参加者の方からは、新規協働モデルの提案や、コペルニクとの協働プロジェクトの立ち上げを検討したいといった積極的なご意見を頂き、生産的なセミナーでした。

企業がCSRBOPにコペルニクを組み込むことで、よりハイパフォーマンスな途上国支援が可能になると感じました。今後、今以上にパートナーシップの提携先企業が増えコペルニクの活動が広がることで、より多くの人々を笑顔にできると期待しています。

セミナー後の懇親会では、参加者の方と自由に意見交換を行いました。テクノロジーの展示も同時に行い、コペルニクの活動を身近に感じて頂けたのではないかと思います。

また参加者同士のネットワーク作りの場としても、ご活用頂きました。

今後のビジョンがぐっと広がる二日間でした。

2011年10月18日火曜日

グローバルフェスタの報告

コペルニク日本事務局スタッフ原田泰の初投稿ブログです。

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101日、2日に日比谷公園にてグローバルフェスタが開催されました。グローバルフェスタでは毎年、NGO、政府組織、国際組織や大使館が活動紹介や出店をして盛り上がりを見せます。今年は300近い団体が出展し賑いました。

コペルニクにとっては今回が初の出展。太陽光で蓄電できる電灯D-light50リットルの水を入れて転がして運ぶことができるQ-Drumの他にLifestrawWaterFilterといった濾過技術を含む様々なテクノロジーの展示を行いました。

お子さんからお年寄りまで、コペルニクのブースの前を通る多くの方に興味を持って頂きました。実際に50リットルの水が入ったQ-Drumを引っ張って頂くと、「こんなに簡単に50リットルの水を運べるのか!」という驚きの声が。

小さなお子さんでもご覧の通り。

フェスタのゲストである藤原紀香さん、ルー大柴さんにもブースに来て頂き、テクノロジーを説明。コペルニクの活動に興味を持って頂きました。

同会場で行われた中村によるワークショップは盛況でテントから参加者が溢れました。途上国の生活を目に見える形で向上させることをミッションとし、必要なテクノロジーをラストマイルに届ける、というコペルニクの活動を参加者と共有できました。ワークショップの参加者にもテクノロジーを触ってもらい、体感して頂きました。

テレビ東京の取材など、両日共にメディアからの注目も集まりました。

日本での活動は始まって間もないですが、今コペルニクは大きな広がりを見せています。グローバルフェスタでは多くの方から、コペルニクは面白い活動をしているという評価を頂きました。これを期に更に多くの方々にコペルニクの活動を知ってもらいたいと思います。

また途上国支援に興味を持っている方とのネットワークも広がり、世界を豊かにしたいと同じ方向を向いている者同士、協力し合い更に有意義な活動をしていきたいと思えた二日間でした。

2011年10月17日月曜日

Takuro便り21:キャッサバ不足への対策 テスト編その1

また順番が前後してしまいましたが、Takuro便りです。前回のポストの前に出るべき記事でした。

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タクロー@ケニアです。

前回得た3つのバインダーのアイデアを実際に使用して炭を作って比較テストをしてみます。

1. 製作

まずは、炭化したトウモロコシの芯をクラッシュします。

そして、クラッシュした炭に3つのバインダーを使用して固めていきます。

1.1

まずは、泥を使用します。泥は、すぐ近くの地面を掘って得た土に水を加えて作ります。

泥を作る作業は単純に思えるかもしれませんが、質の良い泥を作るにはテクニックがいる事が観察して分かりました。鍬を使用して水と土を効率良く混ぜ、その後、足使って粘着性を出すために泥を練りだしているのが分かります。

これは、泥を作る事が彼らの生活の一部となっているからです。田舎に行くと下記の写真のように泥を使用して外壁を作っています。当然、長持ちするものを作るには、質の良い泥を使用しなければなりません。

10分ほどの時間を経てようやく泥が完成しました。


さて、ここから泥をクラッシュした炭に混ぜていきます。ここで注意しなければいけないポイントは、泥と炭との比率です。泥をたくさん混ぜてしまうと、泥は燃えないので点火しない可能性が高くなってしまいます。


慎重に泥と炭のバランスを見極めて混ぜた後は、コンプレッサーを使って炭を固めていきます。

そして、炭の黒と土の茶色の斑模様の炭が完成しました。触ってみて乾燥する前の硬さを確認したところ、既にとても硬い事が分かります。


最後は3日ほど日光に当てて乾燥するのを待ちます。


1.2 牛の糞

次は、牛の糞です。西ケニアの田舎では5~6割ほどの家に牛がいるので、牛の糞を集めるのは簡単です。


日本人の日常生活で考えてみると、牛の糞に接触する機会はほとんどないと言っても過言ではありません。しかしながら、前回のエントリーで述べた通り、西ケニアの村では牛の糞は生活の一部となっています。

ということで、牛の糞を集めて炭に混ぜていきます。


そして、コンプレッサーを使用して固めます。


最後は乾燥させます。乾燥する前の硬さを確認すると、それほど頑丈ではない事がわかります。力を入れると炭が崩れてしまいます。


1.3 モラセス

- トライアル1

そして、最後はモラセスです。Townで購入したモラセス(5リットルで100Ksh)を炭に混ぜていきます。



混ぜてみて感じた事は、モラセスはとてもソフトでコンプレッサーを使用して果たして固まるのか心配になるほどです。


しかしながら、コンプレッサーで実際に固めてみると、それなりに硬くなる事が分かりました。乾燥する前の硬さは、牛の糞よりはちょっと頑丈であるという感じです。

ただ、モラセスは良く分からないので直射日光に当てず屋内にて乾燥させる事にしました。

そして、3日後に固まっているかを確認します。すると、全く固まっていない事が分かります。ここで気付いたのが、モラセスは砂糖の廃液で、ビンに入った蜂蜜と同じようにそもそも固まらないのでは?という事です。


簡単に崩れてしまうモラセスの炭。中を見ると全く乾燥していない事が分かります。


最終的に半分以上が写真のように粉砕してしまいました。

- トライアル2

トライアル1の時点でモラセスは固まらないという事が分かりモラセスを使用するのを諦めようとしましたが、その前にモラセスを固まらせる方法はないかを一応模索する事にしました。そこで、思いついたのが沸騰です。沸騰したら何かの反応が起きて固まるのではないかと思いました。


さっそくモラセスを沸騰させる。

その後、鍋を傾けて固まっているかを確認するとモラセスの一部が凝固している事が分かりました。


ということで、沸騰したモラセスを炭に混ぜたら硬くなるのではという期待のもとトライアル2を実行する事にしました。

沸騰したモラセスに炭を混ぜていきます。

コンプレッサーを使用して固めた後は屋内にて乾燥させます。硬さは前回より気持ち丈夫になったかなという感じです。

ただ、一つ問題として乾燥中に小さな蟻が集まってきます。



2011年10月15日土曜日

大阪大学大学院 国際公共政策研究科



10月1日を持って、大阪大学大学院国際公共政策研究科の招へい准教授という役割を仰せつかりました。東ティモール時代にお会いし、その後もお世話になっていた、同大学の星野俊也教授にお誘いいただきました。 

日本に帰国した際には、可能な限り大阪に寄り、大学に貢献したいと思います。

コペルニクの活動はもちろんフルタイムで続きます。

2011年10月13日木曜日

遠隔で調理用ストーブの使用頻度と二酸化炭素の排出料を計測!

今ポートランド州立大学と進めているプロジェクトがある。それは、遠隔で調理用ストーブの使用頻度と二酸化炭素の排出料をトラックするというもの。

先日のロンボックで行ったトレーニングの時に、このポートランド州立大学チームが同行し、ボランティアを募り、この家庭を含め、手をあげてくれた。

このストーブの丈夫に、、、

機械を装着。

これで計測され、データがGPS機能で送られてくる。

データを分析するのが楽しみ。