3週間ほど前に日本に帰国しましたが、引き続きこの2ヶ月で進展した炭プロジェクトを報告したいと思います。
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Charcoal projectの現状分析で2つ目の問題として、コンプレッサーの数が不足している事を挙げました。では、なぜコンプレッサーの数が不足するのでしょうか?それは、コンプレッサーの価格が1つ400Kshほどと高価であるからです。
今までは、MIT のD-Labで研究されて開発された技術は完成されているという認識のもと、活動していましたが、前回のキャッサバの代替手段がある事を受け、D-Labで開発された炭の技術はあくまでも土台で、そこから現地の状況によって改良を加えていく必要があると分かりました。
1. 分析
ということで、このコンプレッサーも改良できる部分はないか検討する事にしました。
そこで、構造をシンプルにするために、まずコンプレッサーの最低限必要な要素は何かを再確認する事にしました。
コンプレッサーで必要な要素は以下の2つです。
1.1 固める事
1つ目は、固める事です。具体的には、上面、下面、側面の3つのパーツがあります。これらの3つパーツに圧縮される事によって炭は固められます。D-Labで開発されたコンプレッサーを分析してみると、側面と下面が固定されており、上面が稼働して炭を固める機構になっています。
炭を固めるには、まずは下面の部分をパイプにはめます。
下面をセットしたら、炭を入れて上面をパイプの中に入れていきます。
炭を固めたら、下面を押し上げて炭を取ります。
1.2 固めた炭を取り出す事
2つ目は、固めて炭を取り出す事です。炭を取り出すためには、どこかに出口が必要となってきます。D-Labで開発されたコンプレッサーは上面をオープンにする事ができ、下面が炭を押し上げて炭を取り出す事ができます。つまり、炭の入口と出口が同じになっています。
以下がコンプレッサーを使用して炭を固めている動画です。
https://picasaweb.google.com/lh/photo/WMotcl3kQmnryqB2C1N6V9D41BprzRVl-UKTqi3GRYU?feat=directlink
2. アイデア
さて、上記の2つの要素を満たす一番シンプルな形は何でしょうか?よくよく考えてみると、炭を上に押し上げる機構は便利ですが、絶対に必要である要素ではない事が分かります。そこで、思いついたのが以下の構造。
どこか平らな場所において、パイプの上面から炭を入れ、上面からプレスします。その後、固めた炭は下面から取り出すというとてもシンプルな機構です。
3. 作成
ということで、さっそく地元の溶接工にお願いして作ってもらいました。
まずは、パイプ、棒をカットします。
次に、圧縮するためのプレス部分の面を切り取り、鉄ヤスリで削ります。
これでマテリアルが整いました。後は、溶接です。
実は、溶接する前に一工夫が要ります。それは、パイプとプレス部分の間に隙間が出来てしまうのでそれをどう埋めるかです。プレス部分を溶接して面積を増やし過ぎても逆にパイプに入らなくなるという事も考えられるため、溶接工の技量が発揮される所です。
この溶接工は鉄線を円形にまるめて大きさを調整して、それをプレスの面に溶接する事によって解決しました。
プレス部分が見事に円形になっています。
4. 評価
さて、ここで漸くコンプレッサーが完成したわけですが、実際に比較するとどのような違いが表れるでしょうか?
・使用する部品の数
コンプレッサー作成で使用する材料は鉄です。当然使用する部品の数が減少すれば使う鉄の量も減少します。D-Labで開発された鉄を6つ使用していますが、今回の物は半分の3つしか使用していません。
・溶接する場所
溶接はテクニックがいる所で溶接する箇所が多くなればその分時間が掛ります。D-Labで開発されたコンプレッサーは溶接個所は3か所ですが、今回は1か所です。
・価格
さて、一番の目的であった価格はどうでしょうか?上記のように、使用する部品の量が半分になり、溶接する場所も1/3になったため価格も半分以下の約150Kshになりました。
まとめると以下のような違いがあります。
以下は、実際に作業してみて効果的かどうか確かめました。
https://picasaweb.google.com/lh/photo/OD97zGeDf4xNQqdDXexoA9YkrhdGdsLXcGAil31v3sU?feat=directlink
上記の動画の通り実際にコンプレッサーとして機能する事が分かりました。
5. 改良
時間がなくて実行はできませんでしたが、さらに価格を下げるために材料を変えるという方法があります。例えば、価格がより安いレンガを加工してパイプの替わりに使用すると行った方法が考えられます。
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