2011年10月17日月曜日

Takuro便り21:キャッサバ不足への対策 テスト編その1

また順番が前後してしまいましたが、Takuro便りです。前回のポストの前に出るべき記事でした。

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タクロー@ケニアです。

前回得た3つのバインダーのアイデアを実際に使用して炭を作って比較テストをしてみます。

1. 製作

まずは、炭化したトウモロコシの芯をクラッシュします。

そして、クラッシュした炭に3つのバインダーを使用して固めていきます。

1.1

まずは、泥を使用します。泥は、すぐ近くの地面を掘って得た土に水を加えて作ります。

泥を作る作業は単純に思えるかもしれませんが、質の良い泥を作るにはテクニックがいる事が観察して分かりました。鍬を使用して水と土を効率良く混ぜ、その後、足使って粘着性を出すために泥を練りだしているのが分かります。

これは、泥を作る事が彼らの生活の一部となっているからです。田舎に行くと下記の写真のように泥を使用して外壁を作っています。当然、長持ちするものを作るには、質の良い泥を使用しなければなりません。

10分ほどの時間を経てようやく泥が完成しました。


さて、ここから泥をクラッシュした炭に混ぜていきます。ここで注意しなければいけないポイントは、泥と炭との比率です。泥をたくさん混ぜてしまうと、泥は燃えないので点火しない可能性が高くなってしまいます。


慎重に泥と炭のバランスを見極めて混ぜた後は、コンプレッサーを使って炭を固めていきます。

そして、炭の黒と土の茶色の斑模様の炭が完成しました。触ってみて乾燥する前の硬さを確認したところ、既にとても硬い事が分かります。


最後は3日ほど日光に当てて乾燥するのを待ちます。


1.2 牛の糞

次は、牛の糞です。西ケニアの田舎では5~6割ほどの家に牛がいるので、牛の糞を集めるのは簡単です。


日本人の日常生活で考えてみると、牛の糞に接触する機会はほとんどないと言っても過言ではありません。しかしながら、前回のエントリーで述べた通り、西ケニアの村では牛の糞は生活の一部となっています。

ということで、牛の糞を集めて炭に混ぜていきます。


そして、コンプレッサーを使用して固めます。


最後は乾燥させます。乾燥する前の硬さを確認すると、それほど頑丈ではない事がわかります。力を入れると炭が崩れてしまいます。


1.3 モラセス

- トライアル1

そして、最後はモラセスです。Townで購入したモラセス(5リットルで100Ksh)を炭に混ぜていきます。



混ぜてみて感じた事は、モラセスはとてもソフトでコンプレッサーを使用して果たして固まるのか心配になるほどです。


しかしながら、コンプレッサーで実際に固めてみると、それなりに硬くなる事が分かりました。乾燥する前の硬さは、牛の糞よりはちょっと頑丈であるという感じです。

ただ、モラセスは良く分からないので直射日光に当てず屋内にて乾燥させる事にしました。

そして、3日後に固まっているかを確認します。すると、全く固まっていない事が分かります。ここで気付いたのが、モラセスは砂糖の廃液で、ビンに入った蜂蜜と同じようにそもそも固まらないのでは?という事です。


簡単に崩れてしまうモラセスの炭。中を見ると全く乾燥していない事が分かります。


最終的に半分以上が写真のように粉砕してしまいました。

- トライアル2

トライアル1の時点でモラセスは固まらないという事が分かりモラセスを使用するのを諦めようとしましたが、その前にモラセスを固まらせる方法はないかを一応模索する事にしました。そこで、思いついたのが沸騰です。沸騰したら何かの反応が起きて固まるのではないかと思いました。


さっそくモラセスを沸騰させる。

その後、鍋を傾けて固まっているかを確認するとモラセスの一部が凝固している事が分かりました。


ということで、沸騰したモラセスを炭に混ぜたら硬くなるのではという期待のもとトライアル2を実行する事にしました。

沸騰したモラセスに炭を混ぜていきます。

コンプレッサーを使用して固めた後は屋内にて乾燥させます。硬さは前回より気持ち丈夫になったかなという感じです。

ただ、一つ問題として乾燥中に小さな蟻が集まってきます。



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