2010年1月31日日曜日

ローンチから1週間

1月25日のコペルニクソフトローンチからほぼ1週間経った。ウェブの細かいところを改良しながらも、幸い大きな問題は出ていない。ソフトローンチのため、大規模なPRはしていないが、友人を含めて多くの人達が早速プロジェクトに対してお金をつけてくれている。この立ち上げ直後の時期にいただいた支援は、心強く、非常にありがたい。

プロジェクトのリストは、こちらから見れます。

よろしくお願いします。

2010年1月30日土曜日

ビジネス対チャリティー論争

さて、相変わらず、ビジネス対援助の議論が白熱している。

最も表立っているのが、コロンビア大のジェフリー・サックス対ニューヨーク大のウィリアム・イースタリーのもの。この伏線となっていたのがダンビサ・モヨDead Aidという本。すべての開発援助の効果を真っ向から否定し、ビジネスでの開発を唱えるイースタリー・モヨ陣営に対し、開発援助にもいいものと悪いものがあるというサックス氏。例えばこのやりとりを見てもらえば分かる。これはサックス氏の勝ちではないか。特に、公的な支援をすべて否定するモヨ氏に対して、あなたの今があるのは、国費奨学金で留学できたからではないのかと言う部分は的を得ている。

先日も似たような議題で、デモス(Demos)というリベラル色の強いアメリカのNPOが企画したイベントに行ってきた。スピーカーの一人は、最近Small Change-Why Business Won't Save the Worldという本を出版したマイケル・エドワード。もう一人は、philanthrocapitalismという本を出版するマシュー・ビショップ。期待して行ったのだが、この日の議論には拍子抜けした。特にマイケル氏の資本主義に対する批判が、イデオロジカルになり、とにかくなんでも批判してやろうという態度。一方マシュー氏の方がかなりまともで、バランスのとれた議論を展開。

以前も書いたが、どう考えても、パブリックとプライベートな支援を上手く組み合わせるというのが最も効果的であるという結論に達せざるを得ない私としては、これらの議論は実に机上の空論に過ぎないような気がするがいかがなものか。



2010年1月29日金曜日

ニューヨークに戻る

西海岸から帰ってくると、寒い!気温が最低マイナス10度程の気候になっている。セーターを一枚重ねて出勤。

最近は、2月の15-19日にヨルダンで行われるワークショップの準備に時間を費やしている。平和維持活動局との共催のイベントで、国連内で平和構築関係の活動を行っている機関を招待しているので(=かなり数が多い)、非常にロジが大変。

私はもうすぐ休暇を取り始めるので、参加はしないが、私も以前フィールドにいるころに参加したもの。なんとか殆どの準備が整いつつあるので、実際のワークショップがそつなく行われるのを願う。

2010年1月28日木曜日

西海岸 - グーグル編

昨日はマウンテン・ビューに本社を構えるグーグルまで行ってきた。御存じのように、グーグルは、ここ数年でgoogle.orgなどフィランスロピック活動を始め、テクノロジーを活用した途上国の問題解決を探っている。

マウンテンビュー駅で電車を降り、タクシーを捕まえる。グーグルプレックスの建物の番号を伝えると運転手もすぐにどの場所か分かってくれた。中に足を踏み入れると大学のような雰囲気。 うれしくなって写真をパチパチ取っていた。ちょうど昼休みの時間だったため、多くの人が外でご飯を食べていた。

さて、友人のつてを通じて、グーグルでアフリカ関係の事業を担当しているRPさんと会った。メールで既に何度かやりとりをし、彼女もKopernikのサイトを既に見てくれていた様子だったため、矢継ぎ早に質問が飛んでくる。その中で色々面白いアイデアも交換。何人か人を紹介してくれるということにもなった。

別れ際に、彼女は同志社大学の学生として京都に住んでいたことがあったといい、少し日本語でも話した。私も京都で大学時代を過ごしたため、親近感もわく。3月に日本に行くらしく、もしかしたら時期も重なるかも知れない。

短い滞在だったが、実りの多い西海岸トリップだった。

2010年1月26日火曜日

西海岸へ - スタンフォード大学

Co-Founderのエヴァが西海岸のコンフェレンスに参加するのを機会に、本業の仕事を休んで私も同行することにした。

西海岸は何度か来たことがある。以前コンサル会社で働いていた時に、ある会社の新事業戦略を担当し、シリコンバレーに出張し、いくつかの大手ベンチャーキャピタリストにインタビューをした。その時のマネージャーがスタンフォード出身だったこともあり、休みの日に大学まで連れてきてもらった。

前置きはさておき、今日訪ねたのが、スタンフォード大学。ここにはEntrepreneurial Design for Extreme Affordabilityというクラスがあり、発展途上国向けのデザインを行っている。この授業からは、Drip TechD-Lightなどのいわゆる「BoPベンチャー」が輩出されている。メールで担当者に連絡すると快く会ってくれると言ってくれた。

さて、サンフランシスコから電車に乗ってパロ・アルトまで行き、そこからスクールバスで校内に入る。かなり広いキャンパスで、待ち合わせをしているInstitute of Designがなかなか見つからない。建物に番号が付いているが、それとは異なる番地の番号もついている。少し混乱しながらもなんとかたどり着いた。

今回会ったEEさんは、実はD-lightのCo-Founderでもあり、今はこのコースの講師として働いている。Kopernikのモデルを話すと、D-lightの経験と重なったようで、モデルをすぐに理解してもらった。NGOの選択、サプライ・チェーンの問題や、スタンフォードでのクラスの内容について色々話合った。さらに、いくつかの協業のアイデアも出て、なかなかいい手ごたえ。しっかりとフォローアップしていきたい。

2010年1月24日日曜日

コペルニク ソフトローンチ!

今晩の24時ちょうど(あと2時間弱)にコペルニクのベータ版をローンチする。www.thekopernik.org.

過去数週間だけでも、残っているバグを直したり、細かいフォーマットを直したりと色々行った。今でも改良の余地が多くあり、今後も継続して直していくが、とりあえずの基本機能は出来たのでとりあえずはOK。

これまでに本当にたくさんの人に助けていただいた。本当に有難うございました。

ソフトローンチの後は、コペルニクスの誕生日である2月19日に、正式ローンチの予定。

Kopernik!

2010年1月23日土曜日

コペルニク ローンチ パーティー

来週25日月曜日のソフトローンチを記念して、ローンチパーティーを自宅で行った。7‐80人ほど来てくれただろうか。ハイチの惨事に対して、moment of silenceを行った後各ボードメンバーとチームメンバーが一言ずつ話した。

皆さん来てくれてありがとう。パーティーの様子はフェイスブックのKopernikページで見れます。


2010年1月21日木曜日

ハイチへの援助 その2

明日コペルニクのアドバイザリーボードメンバーの一人がハイチに発つ。ハイチに着いてすぐに使えるように、昨晩届いたK-Lightをバルコニーで充電中。日中の充電で9時間明かりがもつ。

このソーラーパネル、携帯電話も充電が出来るので、多くの人の役に立ってくれるはず。

2010年1月20日水曜日

ハイチへの援助

今回のハイチでの惨事は、2004年12月のスマトラ沖地震にも及ぶような被害を及ぼしている。特に首都ポルト・プランスを直撃したため、首都に本拠を構える国連ミッションMINUSTAHは、本部の建物がほぼ全壊した。

平和構築で働く人の世界は非常に狭く、今の仕事で一緒に働く人の殆どの同僚が何人もの個人的な知り合いや同僚を亡くした。私の個人的な知り合いも尊い命をおとした。現在の国連内でのムードは当然のことながらこの惨事に影響を受けている。

国連の本業で、ハイチの対応に関わりながらも、Kopernikとして何か支援が出来ないかとボードと議論をした。ボードメンバーの殆どが、開発援助関係の仕事に関わっているということもあり、その内の2人が実際にハイチまで行くことになっている(一人はもう既に着いた)。

一方、我々のパートナーの技術保有会社と話しても、何かできないかとやきもきしている様子だった。彼らにとっての一番の問題は、緊急時でもディストリビューション。なんとかして、被害者にモノを届けてくれる仕組みを探していた。結局、とりあえず太陽発電ランプのK-Lightを、今週ハイチに発つアドバイザリー・ボードメンバーの一人に直接持って行ってもらうようにアレンジをした。会社側が半分寄付をして、我々が半分費用を持つと合意した。

2010年1月19日火曜日

ローファーム

先日、シエラレオネ時代にインターンとしてUNDPで働いたPCとお昼を食べた。久しぶりにメールをくれ、今はNYにいると判明。

当時はハーバード・ロースクールで学生をしていたが、今では卒業して、世界でも最大大手のローファームで、国際調停を専門に働いている。

彼にコペルニクの話をしていると(誰と会っても宣伝してます)、ローファームとしてプロ・ボノのサポートが出来るかも知れないので、法律業務のニーズを教えてくれといってくれた。このファームとパートナーシップが結べれば、非常に心強い。

2010年1月17日日曜日

ボードミーティング

昨晩は、家に泊まっているEPLとミッドタウンまでメキシコ料理を食べにいった。彼女はメキシコ出身でUNDPの危機予防・復興局で紛争専門家として働いている。

今朝は朝の9時から1時間程、ボードミーティング。スリランカのGJと、NYのASを結んでのスカイプ会議。ローンチについてやハイチでの関わり方の方向性について話した。

2010年1月16日土曜日

太陽光で充電できる補聴器 Solar Ear

先日、太陽光で充電できる補聴器を作っているSolar Earと話した。ブラジルに拠点を置き活動をしている。Kopernikモデルに共感してもらい、この商品をKopernikに載せることが決定。

その後、彼の知り合いで、World Health Congressの開催者からメールが届いた。4月にワシントンDCで行われるこのCongressに参加しないかと誘っていただいた。このCongressの中で、途上国向けの廉価なヘルス関係のイノベーションに特化したセッションがあり、参加者を見ていると、非常に興味深い技術を持っている人が多い。

もちろん是非参加したいと返事しておいた。

2010年1月15日金曜日

インドネシアでのパイロットプロジェクトのビデオ!

かなり時間がかかったが、やっとインドネシアで行ったパイロットプロジェクトのビデオが出来た。インドネシアのSchool for Broadcast Mediaのプロのカメラマンが作ってくれた。

パイロットのなかで、オックスフォード大のシルバー教授が発明した、自分で度数を調節できるメガネをフィーチャーしたもの。

感想があれば是非聞かせてください。

Kopernik distributes self-adjustable lenses from Ewa Wojkowska on Vimeo.

2010年1月14日木曜日

ハイチ

ハイチでの地震以来、部分的に国連のNY側でのコーディネーションに関わっている。

ハイチには、私の所属する部署で以前働いていた同僚2人も駐在しており、まだ身元が確認できていない。無事だといいが。

自然災害に対する国連機関の対応には感心する。UNDPは、緊急援助を専門とはしない、開発援助中心の機関だが、ここ4-5年でこういった事態に対応出来るキャパシティーを補強してきた。今では、緊急時にすぐに専門家をを送れるメカニズムも浸透し、去年から今年にかけての多くの自然災害に対して、早急に人を派遣してきた。普段、非常に気楽そうに仕事している人も眼の色が変わり、週末、夜中もいとわず仕事をしている。

この位の対応を、自然災害の有無に関わらず、例えばサブサハラアフリカで出来ればどれほどの貢献が出来るのだろうかと思ってしまうが。

何はともあれ、一刻も早く十分な支援が届き、復興に向けての道が出来ればいい。

2010年1月13日水曜日

マンハッタンのホテルからのコンタクト

先日、フェイスブックのコペルニクページを介してニューヨークでホテル事業に関わる方からメッセージをもらった。ホテルの再建に投資をする会社で、セントラルパークのすぐ近くのホテルを買収し、現在再建の真っただ中らしいが、その新しいホテルのブランディングの一環として開発問題に関わるNPOとのパートナーシップを模索しているという。

今週会おうと言われ、今晩あってきた。ホテルのフロントで待ち合わせをし、近くのバーでホテルの戦略、我々の方向性などの情報を交換した。いくつか出来そうな協業の方向が出てきたので、今後も話し合いを続ける予定。

どこから話が舞い込んでくるか分からない。

2010年1月12日火曜日

発展途上国のNGOからの提案書78!

ここ数日で、発展途上国からの提案書の数が78にも上った。

リベリア、ウガンダ、シエラレオネ、ガーナ、ウガンダ、ケニア、ジンバブエ、パプア・ニューギニア、インド、パキスタン、アルメニア、モルドバなどから。

うーん、これらをさばくだけでも非常に時間がかかる。そろそろ人を雇うべきだろうか、、、。

2010年1月10日日曜日

ローンチに向けての作業

今週末は、1月25日のベータバージョンローンチに向けての準備に追われた。

ウェブ担当者との電話会議、技術保有団体との覚書の見直し、NGOのデータベースづくり、プレスリリースの送り先のリスト精査、17日のボードミーティングの準備、22日のローンチ祝いパーティーの準備などなど。

来週はさらに、世界的なエレクトロニックの会社も含めて、新たな技術保有会社(tech provider)のいくつかと電話会議が入っている。どこの会社も我々のモデルに非常に興味を持っていただいている。

段々と現実味が湧いてきた。

2010年1月8日金曜日

レストラン フランキーズ

以前、別のブログでも書いたが、NYで一番お気にいりのレストランは、ブルックリンにあるフランキーズ。今晩久しぶりに行ってきた。家から歩いて15分ほどのところにあるが、零下8度くらいの中では結構つらい。












レストランに着き、いつもの様に、チーズから始める。メインは初めて試すミートボール。












うーん。うまい。

ブルックリン万歳。

フェイスブックにコペルニクページを創設

フェイスブックにコペルニクページを作った。とりあえずは、英語版のブログとツイッターがフィードで入るようになっている。

時間があれば覗いてみてください。

2010年1月5日火曜日

携帯電話で送金できる Splash-Cash










私がNYに来る前に働いていたシエラレオネで面白いサービスが始まった。

Splash-Cashというもので、携帯電話を使って送金が出来るというもの。殆どの人が銀行の口座を持っていないシエラレオネで非常に画期的で有用なサービスだ。

図を見てもらえば分かるが、国中にあるキオスクのようなところに行って登録し、出て来た登録番号を覚える。いったん登録す
れば、後はお金を払い、その内いくらを送りたいかとその相手の携帯番号を入力する。テキストを受け取った受取人は、このキオスクまで行きお金を受け取れる。

シエラレオネは、多くの途上国と同じで、アメリカやイギリスなどの海外に住むシエラレオネ人からの送金で経済が成り立っている。海外からの送金は、インフォーマルな仕組みがあり、100ドル単位でのお金が、似たような仕組みで(電話を使ってもっと原始的だが)流れている。Splashのような仕組みが国際送金でも始まれば、非常に意義が大きいのではないかと思った次第。




2010年1月3日日曜日

10ドルの8ビットコンピューターを活用する Playpower

Playpowerという団体のご紹介。

パキスタンなどでは、アップル2コンピューターや任天堂のファミコンなどで使われていた、8ビットのCPUを使って組み立てられたコンピューターが出回っているという。これらのパテントはもう期限が切れて、この技術を使って中国の工場で作られているという。

値段は10-12ドル位で売られているという。

このplaypower.orgは、このコンピューターを使って、教育用のゲームをオープンソースで作る団体。例えばブラインドタッチの練習ゲーム。これらをオープンソースで開発し、既存のコンピューターの流通システムを通じて波及させるという。

10ドルと言えば、一番安い携帯電話の値段と殆ど変らない。今後もplaypowerの動きに注目したい。

2010年1月2日土曜日

オンライン 寄付・チャリティー市場について

新年あけましておめでとうございます!

今回は我々コペルニクが参入するオンライン寄付市場の規模とトレンドについて少し考える。
Giving USAの報告書によると、2008年のアメリカでの寄付市場は308ビリオンドル(約28兆円)[その内の個人からの寄付は230ビリオンドル(約20兆円)]。308ビリオンの寄付市場の約4.5%、すなわち13.3ビリオンが国際的な援助に回っている。オンライン寄付が、寄付市場全体の5%なので、コペルニクが参入する、国際援助向けのオンライン寄付市場の規模は、約665ミリオンドル(620億円)。これ、アメリカだけなので、他の市場を入れるともう少し大きくなるはずだが(日本は未だアメリカの市場規模の1%と言われているらしい)、あまりいいデータが無いので、今回はアメリカのデータに限る。

さて、この600‐700億円の市場とは、日本で言うと一体どのくらいのものかと、グーグルで検索してみる。出て来たのが:
  • 青汁(笑)
  • ビデオ・オン・ディマンド
  • トレーディング・カードゲーム
うーん、よく分からんが、まあいいとしよう。

では、どういったプレーヤーがこの分野でうごめいているかというと、
  • 途上国の起業家を個人からの小規模融資で支援するKiva
  • 米国内向けが殆どだが、学校と個人をつなげるDonorschoose
  • 元世銀のスタッフが始めた、国際NGOと個人をつなげるGlobalgiving
が主なところ。これらの団体の統計を見てみると、経済危機にも関わらず2009年はどこにとっても好調な年であった様子。Kivaは61ミリオンドルの追加融資を獲得し、累積融資総額が112ミリオンドルに達した。これは昨年比の183%。Donorschooseは、17ミリオンドルの寄付を集め、昨年比70%増。少し苦戦しているGlobalgivingも10ミリオンドルを突破し、昨年比で14%増。この市場は、まだまだニッチとも言えないが、確実に急成長している市場と言われている




2010年1月1日金曜日

Avator (アバター)

今日は久しぶりに大ヒットの映画を見た。Avator(アバター)という映画で、空想の惑星に行った人間とその星に住む人々とのドラマ。筋書き、映像、音楽を取ってもピカイチの出来。映像は、3Dで迫力の抜群。お勧めです。