2010年7月26日月曜日

「理系の力を社会に役立てたい」 コペルニク・スペシャリスト 陸翔インタビュー

~1つでもBOP製品の前例を~

日本初のアイディアコンテストにかける思い

See-D Contest実行委員長;コペルニク・スペシャリスト

陸翔さん

理系少女が見た新製品開発の現実

 「理系の人ってカッコよくて素敵なんですよね」――。まるで、憧れの俳優の話でもするかのような軽やかな口調で彼女は話し始めた。陸翔さん。この夏開かれる「See-D Contest」の発案者の1人であり、実行部隊のリーダーである。

 中国・上海で生まれ、6歳で日本に渡った陸さんは、高校卒業までの12年間、遊ぶ代わりにいろいろな実験を繰り返したり研究所の体験プログラムに参加して過ごす理系少女だった。進学したマサチューセッツ工科大学(MIT)では分子生物学を専攻し、植物の力を農業や社会に活用する研究者になろうと研究に没頭。ところが、4年生になって初めて「興味の対象が次々と変わる自分に、何十年も1つのテーマを追う研究者が本当に向いているのか」と考えるようになったという。自問自答の末、陸さんはいったん「世の中を見てみる」ために大学の外に出ることを決意。「理系の人の力を社会に役立てたい」と、外資系コンサルティング企業に就職した。

家電メーカーや製薬企業担当のビジネスコンサルタントとして新商品のマーケティングやブランディング業務に奔走する中で、ある家電メーカーの製品開発にかかわることになった陸さん。メーカー担当者たちと一丸となって消費者調査、ターゲットの絞り込み、プロダクトデザインに取り組み、製品化にこぎ着けたが、結果的にこの製品は思ったほど売れなかった。「あんなにやったのに…」という悔しさと、すでにモノが飽和状態にある先進国市場に新製品を作り出して売り続けることへの空虚感。この時に感じた感情が、その後、陸さんを次なるステージに導く伏せ線となる。折しもこの頃、学生時代から関わってきたSTeLAという科学技術人材のリーダーシップ育成ネットワークの会合でも、「地球温暖化などのグローバル課題に理系人材がどう関わるべきか」といったテーマが頻繁に議題に上るようになっており、陸さんは、社会人になって3年経ってもこうした問題に何一つ貢献できないままの自分に言いようのない焦りを感じ始めていた。

陳腐なテクノロジーが神様のよう

そんな陸さんに、転機が訪れる。「植物の力を利用して水をろ過する浄水器を貧しい村落地域に導入しようとしている企業のビジネスモデル作りを手伝わないか」との誘いが舞い込んだのだ。企業主導のビジネスを通じて途上国の抱える社会課題の解決策を促す国連開発計画(UNDP)とヤマハ発動機の連携案件。まるで天の啓示のようなチャンスをつかみ、休職して飛び込んだインドネシアでは、地方に出張に行くたびに「うちの手押しポンプはサンヨーだよ、見ていかない?」「ホンダのバイクのおかげで水汲みが大層楽になった」と村人から自慢気に声をかけられた。「日本の目から見れば陳腐なテクノロジーを神様のように大切に扱ってくれるところが世界にはまだある」と衝撃を受けた陸さん。同時に、「まだ世界にはテクノロジーを享受できていない人たちが大勢いる。それなら、すでにテレビを5台持っているかもしれない家庭に6台目の新型モデルを売りつけるのではなく、これまでテレビを買ったことがない人にテレビを届けられるような仕事がしたいと思うようになりました」。

それから1年後の2009年、インドネシアの仕事を終えた陸さんは、途上国の開発について学び直すためハーバードケネディ行政大学院・国際開発専攻修士コースに留学。数年ぶりに戻ったアメリカでは、かつてSTeLAを一緒に立ち上げた遠藤謙さんや土谷大さんも、途上国の暮らしや環境に即した「適正技術」を活用し安価で丈夫な製品を作り出す大学の工学教育「D-Lab」に取り組んでいた。このプログラムに賛同した陸さんは、日本に「D-Lab」を広げる活動に参加。さらに、以前勤めていたコンサルティング企業の先輩であり、インドネシアの浄水器案件でも相談に乗ってもらっていた中村俊裕さんに誘われてコペルニクにも協力するようになった。こうして、「理系の力を社会に役立てたい」という陸さんの思いは、期せずして同じように世界の貧困問題にテクノロジーの側面から応えようとする様々な人々をつなぎ、彼らを核に新たな賛同者も集まり始めた。

コンテストに向けた説明会開催の様子

もちろん、苦労はある。D-Labが生まれたMITにはビジネススクールが併設され、様々な社会経験を持つ人々がベンチャーを志す風土があるため、大学はいわば、D-Labで生まれた製品が社会に出て実用化されるまで面倒をみてくれるインキュベーターのようだった。しかし、実社会と隔絶し前例を重んじる風潮が強い日本の大学では、D-Labの導入も一筋縄ではいかない。そこで、今回のSee-D Contestは大学と一旦切り離して実施することにした。目指すのは、とにかくいいアイディアと人を集め、“このコンテストのおかげで生まれた製品”を1つでも世に送り出すこと。「これこそ前例主義の日本の大学への絶好のメッセージになる」と陸さんは考えている。

ぱっと花が咲いたような、明るくて屈託のない陸さんの笑顔に癒やされる人は多いだろう。とはいえ、2度目の留学に踏み切ってからSee-D Contest開催に至ったこの10カ月間は、さぞかし激動かつ多忙な日々だったに違いない。そんな陸さんのストレス解消法は?――「うーん。それが今はストレスがまったくないんです。気持ちのいいメンバーと一緒に好きなことやってますから」。

どこまでも気負いのないこの“仕掛け人”が日本のモノ作り力を再生するトリガーを作り出すことは、まず間違いなさそうだ。

(インタビュー・文:玉懸光枝)

2010年7月25日日曜日

インド発35ドルコンピューター

イギリスの新聞、ガーディアンの記事で出ていた、インド発35ドルのコンピューター。

LINUXで作動しIPadに非常によく似ているが値段は14分の1。インド政府がインドの工科大学と協力して開発したという。将来的には20ドルまで値段を下げると考えているらしい。

途上国向けのコンピューターと言えば、OLPC(One Laptop per Child)が有名だが、この世界で一番安いインド発のコンピューターの出現で、この分野でのさらなる競争激化が予想される。

2010年7月21日水曜日

カヌーで通学

昨日、インドネシア政府の人と会っていた時に、オフィスのロビーで展示していた写真(↓)。いい写真なので、思わずi-phoneのカメラでパチリ。

クレジットなどついていなかったが、おそらくパプアだろうか。

2010年7月19日月曜日

シンガポール

用事があって、昨日よりシンガポールに来ている。感覚的には、インドネシアからシンガポールまでは、時間的にも(新幹線と飛行機の比較だが)移動費的にも、東京から大阪に行くのとあまり変わらない。

さて、シンガポールでは、コスト削減のため一番安いリトル・インディアのホテルに泊まっている。今まで泊まったことのなかったエリアだが、おいしいインド料理屋がいっぱいあり、物価も安く、悪くない。ホテルのインターネットが遅すぎ、よく落ちるのが玉に傷だが、、、。インターネットカフェは一時間で1ドル(日本円で70円弱)

今晩は色々なカレーをお腹いっぱい食べて、2人でシンガポールドル25ドル(日本円では1600円位)。

2010年7月16日金曜日

まわりの自然 その2

まわりには、こんな方たちもいます。


サソリ?


カエル


蜘蛛・蜘蛛の巣


カタツムリ

結婚式とコペルニク

さて、7月のニュースレターでは、コペルニクでの新しい取り組みを紹介した:結婚式とコペルニク

今月の末に東ティモールで結婚するスザンナとゴードンは、外交官・国連職員のカップル。Ewaの友人でコペルニクを立ち上げたということを知っていたゴードンは、結婚式のゲストに、コペルニクを通じて東ティモール関係のプロジェクトに寄付をするように呼び掛けた。

普通の結婚式では、友人が新郎新婦にプレゼントあげるわけだが、典型的な「食器」などのプレゼントはいらないと考えた。せっかく東ティモールで働いており、そこで式を挙げるのだから、何か国の人のためになることをしようと考えたという背景。

既にアイルランド(新婦はアイルランド人)の一番大手の結婚関係マガジンConfettiが面白いはなしだということで、記事を書いてくれることになっている。

日本では少し形式が違うだろうが、これから式を上げる方、コペルニクを通じて、テクノロジーを途上国にとどけませんか?

2010年7月15日木曜日

サン・ディエゴの会議でコペルニクの紹介

昨日、サンディエゴより電話がかかってきた。Society of Photographic Instrumentation Engineers (SPIE) という団体が来月8月初頭に、Optics+Photonicsという会議を主催しており、その内の太陽エネルギーとテクノロジーのセッションでコペルニクの取り組みを紹介したいとのこと。

ありがたい話なので、よろしくお願いしますと返答。コペルニクから人がいくわけではないが、主催者が会議で活動紹介をしてくれることになっている。

このブログを読んでいただいている方で、サンディエゴにいる人って多分いませんよね、、??

2010年7月14日水曜日

タコ採り機と自転車脱穀機

さて、Inotekから出てきたもう2つの技術。

写真の上のものがタコを採る機械。今までは槍で一匹ずつ採っていたタコを、この機械を使うことによってより効率的に採れる。機械が超音波を出し、タコがよってきて、この機械についている針にひっかかるという仕組みだ。価格は1つが約3500円。ただ、タコの採りすぎにつながらないかという懸念も聞かれているという。

その下が自転車の車輪を使った脱穀機。自転車の後部に取り付けて、農家をぐるぐる回れるようになっている。

2010年7月11日日曜日

シブさん

いつも、オファリングとよばれるヒンズー教の「お供え物」を毎日家まで持ってくるおばあちゃんがいる。シブさん。

表情がすごくいいので、今日はお願いして写真を撮らせてもらった。

2010年7月10日土曜日

バイオマス ストーブ

途上国向けのエネルギー効率の良いストーブは、多く出回っている。Inotekで見せてもらったのもその一つ。

右のものが旧バージョンで、左が三代目。足がつくなどの改良が見られる。


















こんな感じで、トウモロコシの芯などのバイオマスをいれて燃やす。






















1つ約11ドル。インドネシアのマランという東ジャワ州と都市で製造している。

2010年7月8日木曜日

ココナッツジュースを飲む

今朝起きたら、ココナッツの実が木から落ちていた。

早速出刃庖丁で割って中のジュースをああ、うまい、、。1つの実から、コップ3配分程のジュースが採れる。すごいですね。

実は、ココナッツの割り方はコツが入り、やみくもの割ると、中のジュースが、ジャーっとでて、回りがジュースだらけになってしまう。最近は慣れてきて、ロスが最小限できれいに割れるようになった。

ココナッツジュースは、健康にもいいということで、ほぼ毎日飲んでいる。

2010年7月7日水曜日

ジャカルタ・ボゴール速報

3年半ぶりに戻ってきたジャカルタ。排気ガスと騒音とともに、すごい建設ラッシュが目につく。下は、泊まらせてもらっている友人の家からの眺め。目の前は大きなショッピングモールが出来ている。


さて、ジャカルタで最初のミーティングは、Inotekレメルソン財団が支援し、インドネシアのイノベーターを支援するNGOだ。最初に簡単にコペルニクのプレゼンをし、その後にInotekのプレゼンを聞く。多くのイノベーションがここのインキュベーションから生まれている。その内のいくつかをコペルニクのテクノロジーとしてフィーチャーすることを合意。それ以外にも色々な協業が始まる。こうご期待。


その後、UNDP時代に、政府側のカウンターパートとして、一緒に働いたアルワン氏と再会。今はNature Conservancyのインドネシア代表。さらに、UNDPの元同僚もそこで働いており、昔話に花を咲かせた。アルワン氏は、神戸大学でマイクロファイナンスを専攻し、博士号を取った親日家。

ただ、彼らのオフィスに行くのにかなり迷ってしまった。道を聞くと、すぐ近くだというので、歩いて行こうとしたがかなり遠く、結局排気ガスの中を40分歩いたが見つからず、結局Ojekと呼ばれる、バイクのタクシーを拾って目的地までたどり着いた。


帰りは、Bajajと呼ばれるインド製の3輪バイクに乗って帰った。Bajayは快適な乗り物ではないが、なぜか乗るのが好きなのだ、、。


そして、2日目の今日はジャカルタの南に位置するボゴールまで車で行ってきた。約1時間の行程。ボゴール農業大学(IPB)という、Inotekのパートナーと会うためだ。さすがに1時間も走ると、街並みはずっと落ち着いてきて、緑も増えてくる。

IPBでは、インドネシア中の学生から’Technopreneur’を育てるという非常に斬新な事業を行っている。いわゆる適正技術の教育を行うとともに、インドネシアの理工系大学生数百人のエントリーの中から数十人のTechnopreneurをコンペで選抜するなどの取り組みだ。コペルニクの活動を説明し、IPBの全容を聞いた後、何が一緒に出来るかを議論した。Inotekとの取り組み以外でも、様々な発明が出てきており、これらもコペルニクに是非載せようという話をした。

明日は、最終日で、School for Broadcast Mediaという、ジャーナリストを育成しているNGOと会う。

2010年7月5日月曜日

投資家インタビュー 施治安氏 「2つの祖国に貢献したい」

~日本発!世界の目を中国辺境の地へ~

在日華僑の熱い志をコペルニクが事業支援!

内モンゴルのソーラーパネル付LEDランプ事業に出資した施治安さん(55この夏、太陽の光で充電できるソーラーパネル付きLEDランプのFireFlyD-light100台ずつ、中国内陸の内モンゴル自治区、オルドス市近郊の村々に届けられる。現地で砂漠緑化に取り組むNGO「オルドスの風」からのニーズ書に賛同して2,855ドルを投資した施治安さんの思いとは。


のべ120人目の投資者となる施治安さんは、在日華僑三世だ。大阪で生まれ育ち、レジャー関係のビジネスに身を置いていたが、5年前、50歳を機にその第一線から身を引くことを決意。「余生は社会貢献にあてよう」と、2年前に「ソーシャル・イノベーション大阪ネットワーク」(SIO Network)を立ち上げた。社会起業家や事業型NPO、政府や企業内のプレイヤーらを実践的につなげて環境問題や新しい福祉、多文化共生といった社会的な課題に取り組む、いわばソーシャルビジネスのプラットフォームである。以来、大阪を拠点に、講義や啓蒙イベント企画・マーケテイング支援など、幅広く取り組んできた。

高校時代から在日外国人の置かれている難しい状況や差別問題について学んできた施さんは、日本とアジア諸国の間に横たわる歴史観の齟齬やしこりをいかに乗り越え、どうすれば多文化共生を実現できるか考え続けてきた。「中国人の自分が日本社会に貢献することで、日本人が持つ中国へのイメージもよくなってほしい」。 50歳の時の一大決意以来、施さんの活動を支えているのはそんな願いだ。

施さんは、東京で起業支援を行うETICからの紹介で、SIO Networkが窓口となって中村代表の関西講演を開いたのを機にコペルニクのことを知った。「世界のBOPビジネスをつなぐネットワーク・イノベーションを想定したコペルニクのオペレーションに感銘し、このビジネスモデルにぜひ協力したいと思いました」と振り返る。投資先には、以前から人づてに話を聞いていた坂本毅さんの「オルドスの風」を選んだ。「彼なら自分の思いをしっかり実現してくれるでしょう」。施さんが坂本さんに寄せる信頼は篤い。

今回、施さんは中国内陸部の無電化地域であるオルドスの人々にソーラー付きLEDランプを届けるプロジェクトに投資した。この地域の人々は、これまで平均月収46ドルのうち約8ドルを夜間照明用のろうそく購入にあてている。しかし、このランプは昼間に太陽で充電するため恒常的な費用はかからない。1台1015ドル程度のランプを買って分割ローンで返済すれば、返済が終わる5カ月目以降はこうしたコストを将来的に貯金や子どもの教育費などに回すことが可能になる計算だ。LEDランプをただあげるのではなく、ローンを組んで返済する仕組みだからこそ、人々はランプを大切に使い、自立も促される。

この夏、内モンゴルの坂本さんを訪ね、FireFlyD-lightが実際に各家庭でどう使われ、生活がどう変わりつつあるか視察する予定の施さん。「見てきたことを発信し、両国のメディアやファンドから協力を得つつ、この地域の貧困層に世界からの共感と支援をさらに集めたい」と意気込んでいる。「生まれ育った日本と母国である中国を橋渡しして、両国に社会貢献したい」――。 施さんの長年の夢がオルドスの人々を照らす日は、すぐそこまで来ている。

(インタビュー、文:玉懸 光枝)

2010年7月3日土曜日

給油をしながらかんがえたこと

今日、車にガソリンを入れるため、ガス・ステーションまで行ってきた。40リットルを入れて約2000円ほど。1リットルでは50円ほど。何と安いことか。

これは、実は、インドネシア政府が、貧困層向けに、石油の価格を抑えるために取っている政策の1つ。一時は公共支出の20%を占めるのどでだったが、保健や教育などの分野への支出が抑えられ、国の発展を阻害しているとの批判から、現大統領は、2005年より、この補助金を大幅にカットすることを決めた。今でも非常に安いが、以前に比べると価格が上がってきてはいるのだ。

この補助金削減と同時に行われたのが、貧困層に対する現金支給。貧困層とされる、国民の28%の人々を対象に、1家庭当たり1か月10ドルの現金支給をした。というのも、石油価格が上がることによって、灯油で明かりをともしている貧困層の人々の生活が圧迫されるからだ。この現金支給には、学校へ子供をちゃんと行かせるとか、妊娠している女性は定期的に病院に診断に行くなど、いくつかの条件が付けられ、それなりの効果を上げたようだ。

ところで太陽発電ランプと上手く組み合わせることが出来たのでは?当時はまだそれほど出回っていなかったが、今なら可能なスキームかも知れない。

と、こんなことを、給油をしながら考えていた。

2010年7月1日木曜日

途上国向けものづくりデザインコンテスト: See-D Contest

皆さん、こんにちは。コペルニク・スペシャリストの陸です。

本日は4月のエントリーに続いて、デザインコンテストの進捗をお伝えします。

日本にいる強力な実行委員のおかげもあり、先日、途上国向けものづくりデザインコンテスト:See-D Contestを正式に立ち上げることができました:
http://see-d.jp

See-D Contestでは、優秀な応募案件の2011年事 業化をゴールとし、第1部 「人間中心」デザイン手法によるものづくりワークショップ (See-D Innovation Workshop) 第2部 Web上でのアイデア交換によるオープンソースブラッシュアップ&デザインコンテスト (See-D Design Competition) 第3部 優秀チーム案の事業化サポート (See-D Incubation)の3 部により参加者のサポートを行います。

前回のエントリーでは、
1. 具体的なデザインチャレンジのお題
2. デザインプロセスにおいて密にユー ザーと対話ができるプラットフォーム
3. ニーズに基づいてモノをつくるHuman centered designが実践できるツール・ワークショップの提供
を用意することで、コンテスト参加者の皆さんが
世界に本当に必要とされているモノを誰よりもうまく作る」ことを競うサポートをします、とお約束しました。

第1部では、この3にある、「人間中心」デザインのワークショップを開催することで、参加者の皆さんにユーザーの生活観察を通じ、製品ニーズを発掘するプロセスをサポートします 続いて、第2部では、コンテストにエントリーしたチームがオンライン上でアイディアを公開し、途上国のユーザーからのフィードバック(定期的な人気投票及びアイディアへの意見)をコンスタントに募れる環境を整えることで、2で謳っているユーザーと密に対話できるプラットフォームを担保します。商品化の見込みがある優秀なアイディアについては、第3部のSee-D Incubationを通じて、製品化までサポートいたします。

1の
デザインチャレンジテーマとして、今年度は「電気の通じない村落地域に向けたものづくり」を取り上げます。
具体的なデザインイメージを持ってもらえるよう、第1部ワークショップの中盤には、東ティモールの非電化地帯へのフィールド調査を企画しました。ワークショップと合わせ、
途上国に対する知識がない方でも、アイディアが具現化できるプロセスとなっていますので、ぜひ途上国向けものづくりに興味を持つ幅広い方々にご応募いただけたら幸いです。(第1部への応募はこちら: http://see-d.jp/oubo.html 文末の募集要項も合わせてご覧ください)

最後に、See-Dの意味を紹介させてください!

See-Dの、Seeは「見る」「発見する」という意味を込めています。私たちは途上国向け製品づくりにあたり、まず、「見ること、探すこと」が出発点になる、と考えました。

まず、現地を見る developing country
次に問題点を探す debatable point
デザインシンキング,普及モデルを学ぶ、探す、体験してみる design & dissemination model
Dには色んな意味、プロセスを込めています。

また、BOP市場やデザインシンキングに興味を持った人たちが世界中にタネを植え、花を咲かせることができたら、という意味も込めて See-D contestと名づけました。
さらに、日本中の中小企業の方々から技術シーズを提供していただくことで、より良い製品が出来上がると考えています。

皆さんも、私たちと一緒に、世界を変えるタネ、探しませんか?


(以下、第1部の募集要項です)

===See-D Innovation Workshop募集要項===

【実施概要】
参加者は、3人一組のチーム(※)を組み、プログラム 開催期間(2010年8~10月)の間に、途上国の非電化地域向けに、以下の分野に関わる製品構想(製品概要、設計図、スペック・コストの概要)を考案 し、10月23日(土)に行われる公開発表会において、成果を発表することが求められます。以下がプログラムの流れとなります。


(1) 公開シンポジウム(7/31): 途上国の現地文化を理解する
(2) ワークショップ (8/21):  デザイン思考を理解し活用する
(3) フィールド調査 (8/28 - 9/4):  東ティモールの非電化村落の村に滞在し、現地生活を理解
(4) ワークショップ (9/11): フィールド調査結果の共有
(5) ワークショップ (9/18): 課題の設定
(6) ワークショップ (10/2): 製品設計とデザインモック作製
(7) チーム作業 (10/2-10/20):    各チームで継続して試作設計
(8) 公開シンポジウム (10/23): 成果発表会
※現地住民への影響やリスクなどを鑑み、 フィールドスタディの参加者数を限定させていただく場合がございます。

※日程は調整の結果、変更となる可能性があ ります。

【開催場所】
シンポジウム: 東京大学本郷キャンパス(予定)
ワークショップ:  東京大学本郷キャンパスおよび千葉大学キャンパス(予定)
フィールド調査: 東ティモール国・非電化村落地帯
※場所は調整の結果、変更と なる可能性があります。

【募集人数】
30名

【応募資格】
・途上国向け製品開発に興味のある エンジニア、デザイナー、個人発明家、商品企画・商品開発担当者もしくは関連する職業につく方もし くは工学・デザインに関連する学科に所属する大学・大学院生

・上記のワークショップの全日程に参加できる方 (フィールド調査はオプショナルですが、参加が強く推奨されます)

【参加費】
シンポジウム及びワークショップ:  (社会人・個 人)4万円 (学生)2万円 (ワークショップ内の材料費含む)

※フィールド調査への参加費用は別途個人の負担となりま す。   フィールド調査参加費想定:約20 - 30万円(航空券・現地滞在費・食費を含む概算見積もり)
※優れたアイデアに対してはスカラシップという形で参加 費・フィールド調査費用の一部が免除されます。コンテスト実行委員会では、本 企画のスポンサー企業を募集しております。なお、応募される方の所属企業・団体がスポンサーになりますと、同様にスカラシップ支給の 対象になります。

【応募方法】
(1) 応募書類・応募先
http://see-d.jp/ を通じてお申し込みください

(2) 募集形態
応募は個人単位もしくはグループ単位(3人1組)で行うことができま す。グループで申し込んだ場合、選抜の合否はグループ単位で決定 いたします。詳しくはウェブサイトをご覧ください。なお、個人とグループの両方に重複してエントリーをすることも可能です

(3) 募集期間
2010年6月22日~8月1日
※参加者募集にあたり、事前説明会を行いま す。日程につきましては6月下旬以降、下記ウェブサイトをご覧ください:
http://see-d.jp/

(4) 選考方法
書類審査
選考結果通知:  8月上旬
※審査員が必要と判断した場合には、電話による簡単なインタビューをお願いすることがあります。

(5) 問い合わせ先
E-mail: 
info@see-d.jp
電 話でのお問い合わせは受け付けておりません。

【知的財産権の取り扱い】
See-D Innovation Workshop, See-D Design Competition, See-D Incubationの全プロセスを通じて、知的財産権の一切は、参加者個人に帰属します。米国NPOコペルニクは本コンテストを通 じて生み出された知的財産権の一切を所有いたしません。

【フィールド調査について】
東ティモール国へのフィールド調 査については、一切個人の責任においての参加となります。渡航に際しての予防接種、保険(参加者全員 必須)、首都ディリィまでの往復航空券は、各自で手配いただきます。(必要な情報・アドバイスは提供いたします。)コペル ニク及びSee-D実行委員会は、当旅行期間中に発生するいかなる事故・事件への責任を負いません。

【運 営体制】
主催:  米国NPOコペルニク
協力:  NPO法人ETIC.、(株)ミュージックセキュリティーズ、マサチューセッツ工科大学D-Lab、 東京大学i.school、(株)enmono、日本財団
運営: See-D実行委員会

まわりの自然

今いるオフィス兼家は、山の中に位置し、文字通り自然に囲まれている。

様々な鳥が鳴き、蝶やトンボが飛び(蚊もたくさん、、、)、空気もおいしい。川も近くに流れ、夜はホタルも飛んでくる。

ここ数日、観察しているのが、このOrchid。日本では胡蝶蘭というのか。細かい種類など分からないが、なかなかきれいで、仕事の合間にほっと一息つかせてくれる。