2010年8月31日火曜日

バイオマス ストーブ

先程、ジャカルタへの1泊2日の出張から帰ってきた。出張中、パートナーのInotekとも会って、今後の協業の方向性を話してきた。

その時に、このビデオを見せてもらった。以前紹介した、バイオマス・ストーブのビデオだ。どのように使うかが分かりやすい。驚きは、トウモロコシの滓などのバイオマスから、ガスコンロのような火が出てくること!仕組みは、あらかじめ、酸素の温度を上げることにより、このような炎が出るのだという。
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ついでに、ストーブのサンプルまでもらった。明日是非、庭に落ちているココナッツの殻で火を起こしてみよう。

2010年8月29日日曜日

貧困層のポートフォリオ: Portfolios of the Poor - how the world's poor live on $2 a day


先日、アマゾンのキンドルで、「貧困層のポートフォリオ」 (Portfolios of the Poor - how the world's poor live on $2 a day)を購入した。私の買っている本をもとに出てきたお勧めリストに入っており、よいレビューにひかれたから。

NYUの教授など4人で共同執筆されたこの本は、バングラデシュ、インド、南アフリカの250の貧困家庭のお金の支出パターンを地道なリサーチで集め、そのデータを紹介している。

例えば、ひと月のお金の流れを以下のように示している。南アフリカに住む、この77歳のノムサさんの家では、4人の孫との5人暮らし。母親はエイズで死亡して、政府からの補助で暮らしを賄っている。1家庭での120ドルという月の収入ながらも40ドルを貯金している。



また、バングラデシュのラムナさんが、2002年から2005年の間に、マイクロファイナンス機関から借りたお金の金額とその用途を分析。マイクロファイナンスが期待している、「ビジネスへの融資」とは裏腹に、実際には、ローンが食糧、葬式、学費や医療費などに使用されているのを浮き彫りにしている。


これ以外にも、多くの家庭の家計について、非常に示唆に富むデータが満載だ。開発援助の分野で、いい意味でこれほどの執拗なデータ集めと分析はあまり例がないだろう。

マイクロファイナンスとは異なり、テクノロジーをテコに貧困削減の加速を狙うコペルニクでも、いつかこれほどのきめ細かな分析をしたい。

2010年8月27日金曜日

オクシで撮った写真 追加

過去3回のブログエントリーをしたが、そこで紹介出来なかった写真をここで。

パームから作る蒸留酒を家で作っているところ。かなり洗練された作り。


竹の先から出てくる。蒸留酒が1瓶で50セント。

「焼き飯」卵のせと鳥の空揚げ。こんなものばかり食べていると体脂肪が、、。

訪ねたコミュニティーで灯油ランプと太陽ランプを比較。





海岸で会った少年達。


訪ねたコミュニティーと。


2010年8月26日木曜日

東ティモール・オクシ県訪問報告 その3(食べ物編)

オクシ報告その3です。

今回のテーマは食。世界各地、人は食べ物を食べなければ生きていけません。

東ティモールはポルトガルの植民地化に置かれていたという影響で、パンがあります。ポルトガル語から、「パウン」(pão)と呼ばれるもので、オクシでも泊まっているホテルで朝食時に出してもらいました。



中がふっくらしており、なかなかいいパン。

しかし、普通の人々の主食はお米とトウモロコシ。

貧しい村の台所は、このようなところ。


なぜか入口は非常に狭い。こんな風にして入っていく。


入口以外は、窓などもないので、中は真っ暗。真ん中に石を3つ使った調理場がある。写真で分かるように薪を燃やして料理をしている。



薪を燃やすと当然煤が出て、室内は煤だらけでこんな感じになっている。ネズミに食べられないように天井からぶら下がっているのは、トウモロコシ。これでも相当食べられてロスが出るという。確か30%。


薪は、中心地では一束50セント。離れたところでは25セント。一日の食事に2束使うので、一か月の薪に使うお金は15-30ドル程となる。こんな感じで(↓)道端で売っている。




街中のレストランでも、キッチンを見せてもらったが、同様に、薪を使って3つの石で調理する。元々の薪の出所は、山の木。皆が伐採して、道端で売っている。


こういった薪の使い方は、発展途上国ではよく見られる。森林伐採と煙、そして経済的負担という3悪があり、こういった習慣を無くすために様々な発明がされている。例えば以前紹介した、バイオマス・クッキングストーブ(↓)。これだと、食べかすのトウモロコシの芯などを使って、効率的に火を起こすことが出来る。



















さて、オクシ滞在中、こんな御馳走も食べた。海に面しているため、魚が取れる。



そして、驚いたのがお米。オクシは東ティモールでもお米が美味しいことで有名だが、食べてみると本当においしい。長い米だが、日本米のように、粘り気のあるもの。思わず20キロ購入してしまった。


2010年8月23日月曜日

内モンゴル ソーラーランプ投資(+回収)プロジェクト 現場からの報告


以前、内モンゴル、ソーラープロジェクトに投資をしていただいた、施氏を紹介した。彼は、今月の頭から内モンゴルに自ら出向き、プロジェクトの進捗状況を視察しに行った。以下は、施さんのブログより抜粋、、、。

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「遅い午後から、スージ村の南側・・電気が通っていない地区に向かった。
今回私の訪中目的である太陽光LEDランプが現地の家庭で、どのように使われてるか、その反応もお聞きしレポートしたいと思っていた。

1軒目は奥さんと小学4年の男の子がいるオーヤガさんの家庭に伺った。オーヤガさんは2種類のLEDランプ(D-ligtとFireFly)とも購入いただき「どちらもたいへん満足している」と


ここはミニ風力発電を使っているが(驚)、特に夏は無風の日もあるし、バッテリーも貧弱なので(しかも高価)電力が安定していない。(風力発電以外に)1日2本はロウソクを使っていたが、LEDランプ2台導入後はその必要がなくなり、より明るい光のもと勉強したり、本を読んだりできるようになったとのこと。

私が社会投資した200台の太陽光LEDランプは1台あたり約90元(オルドスまでの運賃込み:13ドル)

ノリブらが配送&ローン回収代金として20元上乗せして110元(約16ドル)×2台=220元(約32ドル)で販売する。

ロウソク2本(1晩2元=0.3ドル)を使っていた分を積み立てれば100日ちょっとで32ドルの代金を返せる。その後は1日2元分教育費や食費に回すことができる。

オーヤガさんは200頭のヤギを飼って、年間の売上げは8400元だ。(つまり1日3.4ドル)そこから餌代などの諸費用を引いても1日1.5ドル平均所得のスージ村の中では少しだけ生活は恵まれてるのだろうが(放牧禁止にならなければよいが・・)やはり1日0.3ドル(2元)のロウソク代の節約は嬉しそうだ。

この家庭にはテレビがあった。
どうやら風力発電はテレビを見るためだけで精一杯みたいだ。

オーヤガさんいわく
「D-ligtは外に行くときも、室内を照らすときも、ロウソクより明るい!」

「ローソクよりもコストが安く、部屋もキレイに照らす」

「電気のない家も、電気のある家でもほしいと思う。」(外が暗いし、停電もある)
2件目は一人暮らしの年配の女性の家へ!(ここはオーヤガさんの家庭より貧しい)

ここにLEDランプ2台を届け、使い方を説明してもらったら、非常に喜んでいただけた。

特に携帯電話を充電するのに今までは隣の家(といっても数キロ先)に行って充電してもらっていたが、今後はこのLEDランプの太陽電池機能を利用して充電できるのが嬉しい!と言っていました。

3件目の訪問も予定されていたが、かなり時間が遅くなったので村の人々が集まる夕食の宴へ移動。ここで私は体調不良になり、食事はせずに別部屋で横にならしてもらったが、この宴も太陽光LEDランプで部屋を明るくし、皆さん盛り上がっていたようです。(嬉)

のちにノリブと話していて・・・

「中国では内モンゴル自治区以外にも、新疆ウイグル自治区・青海省・チベット自治区・四川省などなど、貧しい地域はたくさんある。」

「この太陽光LEDランプの代理店ネットワークを広げたい!」・・と。

2010年8月22日日曜日

東ティモール・オクシ県訪問報告 その2(エネルギー編)

オクシ県の電化率は20%以下。

日没後、家で明かりをともすのに、灯油ランプを使っている。


こんな感じで(↓)、小さいウィスキー用の瓶のような容器を使い、灯油を吸い上げる紐をたらしている。1家庭あたり、これを3つ使っているという。灯油に使うお金は、1か月で4-6ドル。多くの人が口をそろえて、煙の問題を持ち出す。また、家が木とヤシの木で出来ているため、火事の畏れがある。実際に家が全焼したケースも多くあると言う。


訪ねた村々で、女性グループを中心にエネルギーについて話し合った。

我々が訪問した女性グループは、いわゆるSaving Groupで、約10-20人の構成員単にでお金を出し合い、皆で貯金をする。そして、そこから10ドルのお金を借りることも出来る。マイクロファイナンスが未発達の東ティモール(首都には3つの機関があるが、オクシでは1つのみでカバレッジも非常に低い)で、このインフォーマルなグループは非常によく機能している仕組みのようだ。メリタによると、オクシの家庭の約30%以上がこのような仕組みに加入している。


灯油への支出や、煙の問題を聞いた後で、ソーラーランプを紹介すると、ほぼ例外なく、家に欲しいという。さらに、このグループを通じて、回りの住人にランプを販売して広めたいという。







ディスカッションの結果、この村ではSubsidised価格でランプを普及させることにする。もう少し裕福な村では、フル価格で普及をさせる予定。そして、村人からの売上金を別のソーラープロジェクトに再投資するという仕組みをつくる。この「投資モデル」は既に内モンゴルで始まっているが、オクシ県では、この女性グループをランプ販売員として雇用創出も図る。さらに、価格と技術普及の関係性も調べる予定だ。

オクシの県知事も、県の電化を重要課題としてとらえており、是非ともコペルニクを通じて太陽ランプを普及させ、オクシ全体に明かりを灯してほしいとも言ってもらった。(↓は県知事にランプを紹介しているところ)

2010年8月21日土曜日

東ティモール・オクシ県訪問報告 その1(水編)

昨日の晩、東ティモールのオクシ県から帰ってきた。今回の主な目的は、D-Lightと共同で企画しているプロジェクトの準備。

ティモール島の西半分はインドネシア領だが、まず西側の中心地、クパンまで飛行機で行く。クパンから、車でゆられて約5時間後にケファという都市に到着。そこで一泊。次の日にまた1時間車でゆられて、東ティモールのオクシとの国境に到着。



↓はインドネシア側の国境を越えたところ。



Co-founderのエヴァは、このオクシで2年働いたことがあるが、私は実は今回が初めて。国境を越えると、コペルニクパートナーNGOであるFEEOの代表、メリタが車で迎えに来てくれている。そこからまた車で約40分ほどでオクシの中心地に到着。

オクシは、人口約7万人の都市。西ティモールの中の飛び地ということもあり、東ティモールの中で最貧の地域。非常に静かなで、時間がゆっくりと過ぎている感覚。



山と海に囲まれ、ティモールの首都ディリに少し似ている。オクシの中心地、ケファのホテルに滞在。このホテルは華僑の4世が経営している。ポルトガル統治時代にマカオからやってきたという。



まずは、ホテルでメリタと作戦会議。どの村を訪ねるか、村人はソーラーランプの値段にいくら払いそうか、県知事とのミーティングなどについて話し合う。



次の日、県知事とのミーティングを終え、スネ・ウフェ村に向かう。この村は、オクシの中でも最貧の地域。



このあたりの家は、全てこんな感じ。



子供たちが井戸で水を組んでいる。



通りすがりに約10リットルの水を頭の上で運んでいる女性に遭遇。



こんな小さい子供も5リットルの水を運んでいる。かなり重そうで、一歩一歩よたよたしながら運んでいた。



この女の子も10リットルの水を運んでいる。



この村では、色々な場所で井戸が掘られており、運搬にかかる時間は30分ほどですんでいる様子。だがQドラムを紹介すると、ぱっと顔が変わり、これは非常に便利だと皆が口ぐちに言っていた。ただ値段を聞くと、高すぎるとびっくり。



さて、水の運搬の次は水のクオリティー、安全性について話し合った。今は、どうやって井戸水をきれいにしているのかを聞くと、このようなフィルターを使ってろ過するか、薪を使って沸騰させると言っていた。このフィルターは25セント。とっての部分がさびてくる1年くらいで新しいものに交換するという。



実際にどうやっているのかを見せてくれた。


ただ、このフィルターは皆が使っているわけではないようで、そのまま飲んでいる家庭も多い。ろ過した後のフィルターを見たが、白い物質が濾されていた。この地方の方言「バイケノ」で説明されたので、何の物質か分からなかったがちょっと調べてみよう。



さて、村から帰る時に、Qドラムのような器具を発見。車から降りて、少年達に、これを何に使うのか聞いてみた。何だと思いますか?


答えは、豚、牛の飼料をつぶすためのもの。木の幹と、パームツリーを使って作られている。パーム・ツリーの一部をこの道具の重さですりつぶして、餌にするという。

次回はエネルギー編。

2010年8月20日金曜日

See-D実行委員会メンバーの海津太郎さん!

さて、陸さん、横田さん、山内さんに続いて、今回See-D実行委員会から登場するのは、海津太郎さんです。See-D現地調査部隊として東ティモールから帰ってきました。

See-Dコンテスト実行委員の海津太郎さん
皆さん、初めまして。  See-D実行委員の海津(かいづ)です。フィールド調査の第1陣として8月11日から8月15日まで、スタッフとして東ティモールのBobonaroへ行ってきました。電気が十分通っていない途上国ということで、いろいろなリスクを思い浮かべながら現地へ入りましたが、参加者の皆さんの柔軟な対応、現地コーディネーターの活躍によって、トラブルもなくフィールド調査を終えることができました。今回のフィールド調査がどのようなものだったのか、簡単にご紹介します。  
今回のテーマは「非電化」。東ティモールの首都Diliから4輪駆動車で5時間ほどかけ、山間部の村を訪れました。初めは全く電気のない世界を想像していましたが、毎日の停電はあるものの裸電球を照らすほどの電気が通っている家が村中心部に見受けられました。また少数ですが、テレビや電気アイロンを備えた家もありました。  
とはいえ、日本と比べれは格段に限られた電気の使い方しかできません。日本から来た私たちからすれば「電気がなくてさぞ困っているだろう」という姿勢になりがちです。しかし現地の村人は、当然のように非電化の生活をしているわけで、彼らの生活を外から単に眺めただけでは「何が必要とされているのか」は見えてきませんでした。参加者からは「今の生活に満足しているでは?」という声も当初は聞かれました。非電化地域だからこそ体験できる、ため息が出るほど美しい星空を見た後ではなおさらでした。(笑) 
しかし、診療所や行政、貧しい村人が住む地区を訪れ、彼らの話を聞き、彼らの家を見学し、それらの内容を関連づけていくうちに、フィールド調査の参加者たちは、村人たちが直面している課題は何なのか、自分たちの取り組みたいテーマは何か、イメージが湧いてきたようです。調査の合間に皆で集まり、見聞きしたことについて議論をしましたが、いろいろな意見が出てきてとても刺激的でした。目の前の問題を解決するプロダクトのアイデアだけでなく、そもそも途上国に限らず「人間らしさ」に注目したアイデアも飛び出し、「なるほど!」と思うことも多々ありました。この体験をもとに「See-Dらしい」と言われるような素晴らしいプロダクトが生み出されることを期待しています。   
順序が逆になりましたが、私の自己紹介をします。 
私は小さい頃から好奇心が強く、結果、当たり前のように科学技術に憧れ、大学は何の迷いもなく機械工学科に進学しました。大学時代にアメリカへ行く機会に恵まれました。そこで初めて「日本人」として周囲から見られること体験し、日本社会を強く意識するようになりました。帰国後、これまでの科学技術への興味だけでなく、「社会」や「人間の営み」に対する好奇心が膨らみ、大学院に進学して政治学、社会学、経済学を学びました。大学院で研究をしていて気付いたことは、民間企業の社会に対する影響力の大きさでした。この点をより理解したいと思い、修士取得後にエンジニアリング会社へ就職し、主に韓国や香港で工場を建設するプロジェクトのマネジメントを経験しました。企業で働いているうちに、もの心つく前から情熱を感じる科学技術と社会を結びつけるような仕事ができないかと思い始め、2010年3月よりETIC.に所属して新しい事業の創造に関わっています。
と、それらしく説明してみましたが、実は意識してキャリアを築いてきたわけではありません。その時々に自らの好奇心に正直に生きてきた結果、今に至っています。スティーブ・ジョブズがスタンフォードの卒業式で演説していましたが、振り返ると点と点が繋がって自然とストーリーができていたわけですね。  
私がSee-Dに期待することは、「新しいモノ作り」がSee-Dをきっかけに社会へ広がっていくことです。「新しいモノ作り」とはユーザーの視点に立って、本当に必要とされているモノを創り出すことで、作り手の都合で作り出されるモノではありません。ユーザーの視点に立つことで、今までのプロダクトとは全く別のカタチが適していることを発見するかも知れませんし、極端な場合、そのプロダクトがある状況下では必要とされていないことが分かるかも知れません。See-Dは途上国向けのモノ作りをテーマにしています。途上国というモノが限られている環境に適切なプロダクトを導入できれば、人々の生活の質を劇的に向上させられるかもしれません。モノの作り手にとっても大きなやり甲斐を得られる経験となるでしょう。また、See-Dでのモノ作りのプロセスは、途上国だけでなく先進国の社会課題に対しても応用できる可能性を秘めています。  
まだ芽が出てから日が浅いプロジェクトで試行錯誤の連続ですが、意識の高いのデザイナーやエンジニアなどの個人が自由に活用でき、関心の高い企業も参加できるようなプラットフォームにしていければと思っています。人は「道具」を発明することによって進化してきました。今一度、その「道具」の意味を見つめ直し、新しいインパクトを社会に送り出していきませんか?

2010年8月12日木曜日

See-D実行委員会メンバーの山内亮太さん!

今回は、横田さんに続いて、See-D実行委員会メンバーの山内亮太さんを紹介します!

山内亮太さん

ETIC.の山内 亮太です。

私が
See-Dに関わるようになったきっかけは、様々な”シンクロニシティ”が掛け算になっています。

それをご説明するために、まずはじめに、私の生い立ちと経歴をはじめにご紹介します。

私は長崎県の壱岐という島で生まれ育ちました。父の職業は自営業。ソニーの商品を販売するソニーショップでした。他にも文房具や楽器、音楽教室などいろんな事業を展開していたんですが、ソニーのビジネスが一番柱になっていた気がします。小さい頃からベータマックス、MD,プロフィールモニター、8mmビデオなどの自由闊達なるソニー商品に囲まれ、時には商品分解して中身を見、ドキドキしながら少年時代を過ごしました。

高校から長崎へ、そして大学で大阪へ。大学では適正技術ならぬ適正能力の問題から(笑)理系には進まず、経済学部に進み、ゼミは”国際”という名の響きにミーハーに惹かれて発展途上国経済を取り、聞こえのよかった、元世界銀行の大蔵アドバイザーだった橋本先生に師事をし、開発経済の雰囲気を感じました。

そしてあこがれのソニーへ入社。テレビというソニーの中でも花形の商品の商品企画を7年、マーケティング3年。世界初の有機ELのテレビのマーケティングやBRAVIAヨーロッパ担当など、グローバルでエキサイティングな仕事に恵まれ、厳しく、苦しいときもありましたがそれゆえに成長し、楽しい日々をすごさせていただきました。

そしてかねてから抱いていた起業の思いを実現すべくエティックへ

ここでビジネスを通じて社会の問題を解決する、「ソーシャルイノベーション」というものを知り、数々の社会起業家との出会いを通じて、全力で自らの人生、そして仕事を社会のために役立てんとする情熱とエネルギーに出会います。

つまり、私のここまでの人生は、生まれた瞬間から

「もの作り」「発展途上国」「ソーシャルイノベーション」

という3つのキーワードに集約されています。

この3つのキーワードを集約する大きなヒントをくださったのは、実はアライアンスフォーラム財団の古川さんという方でした。

アライアンスフォーラム財団は原丈人さんの新国富論でも有名なように、途上国、特にバングラデシュに対する様々な技術投資を展開されています。そこであるお言葉をいただきます。

”日本の企業が、テクノロジーを途上国の問題解決のために使わないのは本当に残念なこと”

この瞬間、自分の中で何かが走り抜けました。

私がソニー時代に最後にやった仕事はテレビの無線LAN対応。そのときにアジアの国々を売り上げ別に並べて、バングラデシュ以下を非販売国として一気に切り捨てたのです。

”ああ!自分は日本の技術を途上国に役立てるチャンスを切り捨てたんだ”

仕事の延長線上にある人々の表情や価値を考えられていなかった自分が恥ずかしくなりました。

そして時を同じくして渡邊奈々さんの「チェンジメーカー」で出会った、ライフストローに感銘を受けます。

”技術を使って日本からソーシャルイノベーションを起こせる。”よし、エティックで何かをやろう”

そんな時に、本当に偶然出会ったのがコペルニクの中村さんと陸さんでした。

”日本発のライフストローを出したい”

そんな思いが共鳴し、3月に中村さん、陸さん、そしてMITの遠藤さん、Joseさんとともに中小企業向けセミナー”
途上国の問題を日本の先進技術で解決する”を企画・実行したことをきっかけに、思いは確信に変わっていきます。

そして3月の終わりごろだったと思いますが、中村さんから”打ち合わせをやります”という謎のお誘いにふらっと参加したおかげで、素晴らしい実行委員の皆さんと出会い、共感を呼び、S
ee-Dが始まります。

そして、実はこのSee-Dで実現したいことはもう一つあります。

それは、

”すべてのエンジニア/商品企画マンのクリエイテビティと仕事の働きがいを再構築する”

ということです。

ユーザーの生活だけではなく、その国の未来を信じ彼らとともによりよい社会を作る。
そのために必要とされる技術を構成する。この体験を通じて達成されるものだと信じています。

自らの経験も含めて、人生は達成したいことに使命を感じ始めた瞬間から回り始めるものです。参加者のパラダイムが変わるような、そんなコンテストにしたいと思っています。

よろしくお願いいたします。

2010年8月10日火曜日

引っ越し後

さて、以前借りていた家を離れ、今月の初日に通り向かいの家に引っ越しをした。家賃は一月500ドル。

最初は、2年ほど人が住んでいなかったところで、荒れ果てていたが、掃除をして、ペンキを塗り直したりしていると見違えるスペースに変わった。

まだ家具は殆どないが、こんな感じで仕事をしている。ベランダからは見える景色は緑一色。

飲み水は別に調達しているが、キッチンの水を料理にも使えるように、Life Straw Familyを取りつけている。早速炊飯器でお米を炊く時などに使っている。


そして、先日、念願のハンモックを購入。